爆炎の炎の恋歌【豪炎寺修也】 (ページ21)

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豪炎寺side

響木監督と大岡が何か喋っている
その話の内容が少し気になって耳を傾けようと集中していたら、ボールを取りこぼしてしまった

「集中しろ、豪炎寺！」

「ああ、すまない！」

再び響木監督と大岡を見ると、大岡は離れた場所でボールのコントロールする練習をしており、響木監督はコートをしっかりと見つめていた

「豪炎寺！」

「あぁ！」

練習に集中するために走り出した

「みんなー！一旦休憩よー！」

「はちみつレモンもありますよー！」

「おにぎりもあるわよ！」

「「おお〜！」」

「まず、手を洗ってからね」

雷門の言う通りに手を洗ってからはちみつレモンとおにぎりを頬張っていると、まだ隅っこで練習をしている大岡に目が止まった

「理英さんが気になるの？豪炎寺くん」

「え？あぁ…ずっとあそこで？」

「うん。ずっと集中してるの」

「……」

「声かけても全然。なんだかすごく羨ましいなって」

「そうか…」

ヨロヨロとボールが動くのに大岡が静かにボールをコントロールする姿を見て、タオルとドリンクを持っていく

「大岡」

『…………』

「大岡！」

『え？あっ！』

俺の声に驚いて大岡の足の上にあったボールが転がってくる
それを足で止めて「一旦休憩だ」とタオルとドリンクを差し出した

『おおきに…』

「水も飲まずにずっと練習してたのか？」

『2年もしてなかったんやもん…人より頑張らんと』

「…そうか。だが、無理は禁物だぞ」

『おん、わかっとぉよ』

ドリンクに口をつけて飲み込んでいる大岡に、さっき気になったことを聞くことに

「さっき、響木監督と何を話してたんだ？」

『ん？響木監督とは、お兄ちゃんから知り合うて…ラーメンご馳走してもらっとってん
ウチも、サッカー教えてもらってたんよ』

「へぇ」

『今度、ラーメン一杯奢ってもらうんよ！楽しみや！』

「へぇ…」

嬉しそうにそう言う大岡を見て微笑む

「あの2人、なんかいい感じじゃないですか？」

「そうかしら…」

「なんだか、微笑ましいわね」

『豪炎寺くん、サッカーできるようなったらウチとサッカーしてくれる？』

「もちろんだ」

『やった！ほんなら頑張って練習せんとな！』