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「そして、2件目、6月3日、こちらは江東区で起きました。被害者は岡由美子さん。帰宅中に巨千大橋にさしかかったところで、犯人に橋の下へ連れ込まれ殺されました」
「巨泉大橋？」
「犯行時刻は同日の21時から22時の間です。このふたつの事件の共通点は、殺害現場か被告人である石川さんの毛髪と血管が残されていたこと
そして、2人の殺害方法が全く同じで、刃物で心臓をひと突きされて殺されていました」
「……これ、刺さるか？」
遺体の写真を見ていた大翔がつぶやいた
「毛髪と血痕のDNAは石川さんのと一致してるのか？」
「はい」
「これで否認って、ある意味勇気あるな」
「犯行時刻のアリバイはどうなってる？」
「1件目の犯行時刻には家に1人でいたそうですが、2件目のときは調布中央駅の駅ビルにいたって言っていました」
「今回は物証が固い。もし崩せるとしたら、石川さん本人が殺害現場にいなかったことを証明するしかない。明石、藤野、その……なに？何駅？」
「調布中央駅」
佐田先生に立花先生が答えた
「そこの駅ビルに行って、該当時刻の防犯カメラの映像を確認してくれ」
「はい」
「石川さんの職場に行って、話聞いてきます」
「あー頼んだ。それから深山は…」
佐田先生が大翔を見ると、すでにリュックを持って出かけようとしていた
「行ってきます」
「どこに行くんだよ？」
問いかける佐田先生に、大翔は無言で短く頷いて出て行った
「んだよ、これ」
佐田先生は大翔の頷く素振りを真似しながら舌打ちをした
「白樺まで…って、白樺!? なんでいるの？」
『いるのがいけないんですか？』
驚いて二度見してくる佐田先生に私は、『え、ダメ？』とショーターを見上げながら聞くと、「いつもニコイチだからな」と言われる
『いや、そもそも全ての大翔の行動に私がついていくと』
その時、首筋にヒヤッとした気配がして振り返ると「あ、バレた」という赤髪をセットアップしたスーツ男が目の前にいた
『は』
「あ、やべ」
前のめりに倒れてくるソイツに『は、バカっ…ルマ』と言いながら一緒になって床に倒れた
『……………バカなんじゃないの？』
「うっわ、いって〜」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年12月27日 10時
