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「でも、E組の奴らには言っていいだろ?」
『うん。みんな元気だったのか気になってたし、会いたかったから…』
「あいつら、相変わらずなんだぜ?やっぱり全員、おんなじの進んでるしさ」
『そりゃあ、悩んで悩んでたどり着いた答えだもん。違う道に進むのなんて、難しいよ』
「お前は簡単にシフトチェンジしたけどな」
『だから事情が…』
そんな会話をしていると「瑞姫〜」と大翔が佐田先生とアッシュを連れて出てきた
『いい?私とあんたはあんたが交番勤務の時に知り合ったことにしてよ』
「お、おう…まあ、誤魔化すにはそれしかないから仕方ないか…」
コソコソっと打ち合わせをしていると、「なにしてんの?」と大翔がキョトンとした顔で聞いてくるのに、『ううん、なんでもない』と微笑む
『紹介するね。この人、私が落とし物をした時に助けてくれた刑事さん』
「木村正義と言います」
「ジャスティス」
「はい、正義って書いてジャスティスって読みます。俺の親が警察官で、正義感が強いのでそんな名前をつけました
弟は勇気って書いて、ブレイブって読みます」
「ブレイブ」
大翔が復唱する
「でも、落とし物で助けてもらっただけにしては親密だな」
「そ、それは…」
『年も同じだったし、意気投合して…ねー!』
「な、なー!」
無理矢理に話を合わせると「ふーん?」とアッシュがジトリとこっちを見てくる
笑って誤魔化しながらいると「おーい、木村!」と刑事が呼んでいる
「悪い、そろそろ行くわ」
『あ、うん』
「あ、そうだ。これ渡しとくよ」
『なにこれ』
「番号。順番になってるから全部」
『え、全員分ってこと?マジで?すごっ』
「お前にまた会えたら渡そうって話になっててさ。全員分あるから、ちゃんと登録しとけよ。あ、これ俺のな」
『するする!2番だけする!』
「全員しろよ、そこは!!」
しっかり突っ込んでから「じゃあな」と言って走って去っていく木村を見送り、メモ書きを『にひひひっ』と笑いながら眺める
「なにもらったの?」
『内緒!』
「最近、内緒多いな」
『内緒は内緒』
「白樺、お前刑事と仲良いのか」
『いろいろいますよ。医者とか、教師とか、女優とか、あと官僚とか』
「お前一体何者なの?」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年12月27日 10時