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「あなたはスーツを着替えなきゃならない理由があったんですよね?
皐月さんは山城会長にワインと料理をひっくり返され、カッとなったと言っていました。ですが…部屋の絨毯にも、皐月さんの服にも目立ったワインのシミは、どこにも見当たりません」












大翔は自分が撮影した現場の絨毯の写真、皐月さんの写真、そしてネクタイの写真を功一さんの前に置いた















「でも、凶器のネクタイからはワインの成分が検出されています。山城会長にワインをかけられたのは、あなただったんですね。あなたは、山城会長にワインをかけられ、殺意を抱き、していたネクタイで会長を締め殺した。そして、そのことを隠すためにスーツを着替える必要があったんです。違いますか?」














大翔が功一さんを覗き込むように見ると、功一さんは目を合わせることができていなかった












そして、ポツポツと呟くように言葉を紡ぎ出した












あの晩、取引が決まったことをいち早く報告したいがために、山城家に戻ってきたが、自分のような跡取りだと、山城鉄道は終わりだと言われ、突発的に犯行に及んだと…



















「あの女が仕組んだのよ!」

「やめろ、昌子」

「あの女が、自分がしたことにしろって言ったのよ!」














昌子さんが声を荒げるように言い、私は聞くに耐えないと目を細めた
















「今まで散々虐げて、殺人犯にまで仕立て上げて、そんな言い訳まで…」

「言い訳じゃない!」

「もう、やめろ。私が、親父を殺した。それは間違いない」
















やっと、終わった




ーーーーー
ーーー

















『だはぁ…終わった〜…』














いとこんちに戻ってきて自室のベッドに倒れ込んだ
ゴロリと寝返りを打ち、天井をボーッと見てから起き上がる











トントン、とゆっくりと階段をおりて下に向かうと、いとこんちのお店に来ていた明石さんや戸川さんたちが飲んでいた
















「いやあ、嬉しいなあ。ま、勝手おじさんはいないけど、やっぱみんなで飲みに来るとね。すいませんね、わざわざ野方くんだりまで来てもらってね」

「おい、野方をディスるのか、お前。井荻のくせによ」
















聞き捨てならないと健太兄ちゃんがつっかかっていく
井荻は、西武新宿線で、野方から4つ下った駅だ

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年12月27日 10時

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