検索窓
今日:12 hit、昨日:20 hit、合計:2,505 hit

65話 解き明かす ページ17

出払っていたみんなが戻ってくると、大翔は椅子に座らせた黒いマネキンんのような人形を、善之助さんに見立てて、殺害時の様子を検証していた













「巻いて、巻いて…」














藤野さんが声をかけると、明石さんが人形の背後から首にネクタイを巻きつけた
そのネクタイと人形の首の間に、大翔は両手の人差し指を挟んで力具合を測っていた













「ギューーーーーッ!」














藤野さんの掛け声で、明石さんはネクタイを左右に引っ張った
















「左強く」













指を人形の首とネクタイの間に挟んだまま、大翔が指示をすると、明石さんは左手にさらに力を込めて引っ張る














『どう?』

「うん、確かに違う」

『司法解剖通り、左利きの可能性があるのか…』















利き腕がどちらかで遺体に残された痕跡が変わってくることを検証していた


















「はい、ありがとうございました。失礼します。ねえ、お母さんに確認したけど、皐月さんは確実に左利きです」

「なるほど」

『ふぅむ…』

「おかえりなさい」













戸川さんの声に振り向くと、息を切らして駆け込んできた佐田先生がおり、大翔の背中を叩いた
振り返った大翔に、「ちょっと」と手招きをした















「功一さんが、時間の夜に……参加した経団連の会食……会食あるだろ?」













佐田先生はなんだか、嬉しそうに早く報告したくてたまらないから、走ってきたような様子で、息が上がっている
喋りながらもブレスが入り、話す内容が途切れ途切れになるが、急に吹き出した


















「何笑ってるんですか」

「や、ちょっと待って」

「俺はああいう人間にはならない」

「安心しろ。佐田先生だけだ」















アッシュが呆れて手元にあった司法解剖書を眺め、ショーターがアッシュの言葉にすぐに切り返していた


















「経団連の会食あるでしょ?あの会食には、俺が顧問をしていた…会社の役員も参加していたんだ。ね」

「はい」

「で、ああいう会合ではときどき…」

「気持ち悪いんですけど」

「ああいう会食では、会食の最後に、こういう記念写真を撮るんだよ」












佐田先生は手にした写真を見てまた笑って、「で、よく見て、これ」と大翔に写真を渡す
得意げに笑っている佐田先生だったが、大翔は気持ちを集中させて写真を見つめていたが、すぐに顔をあげて佐田先生を見た













「シャッター、押ししゃったー」

65-2→←64-7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
58人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年12月27日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。