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「だから、事実を明らかにするんですよね?」
「お前とはやり方が違うんです」
「頑固な人だな〜」
「いいか、みんな。山城家の人たちを、徹底的に全員調べる!」
「「はい!」」
「いいか、みんな。山城家の人たちを、徹底的に全員調べる!」
「真似すんなよ」
佐田先生の言葉を復唱した大翔に佐田先生は文句を言いながら部屋を出ていき、「やめなさいよ」と大翔に注意した立花さんが続いて出ていく
「やめなさいよ〜」
『ハハハハ』
「やめませんよ」
と、言いながら2人を追っていく
「やめなさいよ、男子〜」
「お、その感じいいっすね」
「だよな」
ノリに乗った藤野さんにシンと明石さんが言い、続いて出ていく
「ん?瑞姫は行かないのか?」
『うん、ちょっとね』
「ふーん?んじゃ、留守頼むわ」
『はいはーい』
ショーターとアッシュが出ていくのを見送ってから、自分の鞄をデスクの上に置いた
鞄の底から出したのは、白い便箋と茶封筒だった
『……はぁ…ホント、鬱陶しい』
苛立ちを込めてシュレッダーへと向かい、白い便箋を投げ込む形で入れた
茶封筒に入っているのは、コロンとしたUSBメモリだった
パソコンに挿しこみ、マウスで操作するとズラッと写真のデータが出てきた
それをひとつひとつ、クリックすると懐かしい写真が次々とパソコンの画面いっぱいに出てくる
『あははは、これ懐かしいなぁ…』
新学期が始まった時、夏休み暗殺の時、夏祭りの時、プールの時、期末テスト…
いろんな思い出を撮り溜めていた殺せんせーからの最高のプレゼント
卒業アルバムには入りきらなかったあの写真が、現代にまで受け継がれていたのは、国が厳重に保管し大切にしていたと、磯貝から電話で聞かされたのは記憶に新しかった
カチカチ、とマウスをクリックしながら進む
もう、戻れない
あの楽しい1年間には
あの最高の学舎には
『会いたいなぁ…殺せんせーに』
E組のみんなには出会えたのに、最高の恩師にはまだ、会えてない
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年12月27日 10時