0.1の真実と100の愛6 (ページ15)

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「今？」

「今です」

「明日じゃダメなのか？」

「ダメなんです、すいません。お願いします」

「あー、どいつもこいつも」

わかる、わかります、佐田先生
面倒ごとにこんな時間に巻き込まれる嫌な気持ち
マックスと、どんだけ、語り合ったか

佐田先生は、山城家での再現映像を身終えて「うーん」と唸り声を上げた

「つまり、これみんなが全く同じ証言をして」

「はい」

「その証言通りに、再現してもらったってことだな」

「はい。……どう思います？」

「確かに不自然だな。……わかった、明日、皐月さんの接見に俺が行くわ」

「ありがとうございます」

なんとか、出走してもらうことができたな…と、1人で心の中で呟いていると「あ、そうだ」と佐田先生が声を出した

「白樺」

『はい？』

「さっき、うちの娘が言ってたプロムって……どういう意味？」

ピシッと立花さんが固まり、私は『あー』とアメリカでのあの日々を思い出したり、映画で見聞きしたことを思い出した

この佐田先生に、プロムは高校生のダンスパーティですよなんて言ったら、アウトだよなぁ…と思い、このことは伝えないことにしようと思う

『まあ、気にしなくていいですよ。ただの映画鑑賞くらいに思っておけば大丈夫です。高校の必修科目ですよ』

「そうなの？」

『はい。お疲れ様でした』

「おお、お疲れ様」

やり遂げた

体裁は守った

多分

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『え、出てかれた？マジ？』

「出走してこれだよ」

皐月さんの接見に行ってきた佐田先生、大翔、立花さんから、皐月さんに再現ビデオの内容で気になったことや、妊娠のこと、虐げられてること、諸々を佐田先生たちが聞くと、皐月さんは、頑なに自分がやったと言い、挙げ句の果てには話すことはないと言って接見室を出て行ったと

『ワーオ…』

「誰かを庇ってんのかねぇ〜」

ギシギシと椅子の背もたれに向き合うようにして座っているショーターに「よし！真犯人、突き止めよう！」と佐田先生が気合を入れて立ち上がったのに「え、マジ？」とイヤイヤという顔をした

「お前とは違うからな。依頼人の利益を最大化するのが俺の弁護方針だ。このまま彼女が嘘をつき続けても、彼女の利益にはならねぇからな」