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「傷ついてる？」
『いろんな人に虐げられる人生を送ってた…それでも、あの人は屈しなかった…負けなかった』
あの頃の私たちはあまりにも若すぎた
いろんなことを、体験し、知りすぎてしまった
だから、だからこそ乗り越えられた
アッシュと一緒だったから
「…その人は？」
『んー、大昔にさよならしちゃったんだ』
「え、じゃあ…カーレンリース先生知ってるんですか？」
『え"っ!? あー…いや、どうだろ…言わないでね!? 絶対、怖い顔するから!!』
「面白いと思いますけどね」
『立花さん、彼の怖さを知らないから言えるんだよ』
大人シンと一緒になって怒ってきたあの顔、ホンットにマジで、笑えない冗談で怖かったから
「ふふふ、カーレンリースさんと付き合ったら、束縛が激しそうね〜」
『ハハハハ』
「私も厳しかったなー」
「ママも？」
「ですよねー。こう、父親らしいこと言う割には、そういうことになるとしどろもどろになるっていうかねー」
「じゃ、プロムに一緒に行ったなんて言ったら、パパ大変かも」
『それはヤバいかも…』
プロムなんて行ったなんて、佐田先生、卒倒するわ
(ま、まぁ…銃と薬とマフィアとの抗争に巻き込まれた私からしたら、可愛いもんだが)
盛り上がっている3人を他所に、あの頃の記憶を振り返る
今思えば、本当に危ない橋を渡りまくってた
「ちょ、ちょっと立花、白樺、なにやってんの？」
「お疲れ様です」
『お邪魔してます』
リビングに入ってきた佐田先生にぺこりと小さく頭を下げると、かすみちゃんは、「お風呂入ってきまーす」と言ってリビングを出て行った
「すいません、急にお邪魔して」
「お前らなあ、人のうちに来る時は…来る前に連絡ぐらいしろ！」
「しろ!? 女性に対してそういう言い方はやめてくれる？」
「だって、俺の部下だもん」
「そういう風に権力を振りかざす人、私は嫌い！」
「権力ってお前、だって…」
(奥さん強いなあ〜…)
しどろもどろになっている佐田先生をおいて、奥さんはリビングを出ていく
やりこめられている佐田先生に、なんだかマックスを思い出した
「……何の用だよ？」
「ちょっと、見てもらいたいものがあるんです」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年12月27日 10時
