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「全員が現場に到着するまでは、1分20秒。全員が皐月さんは朱色のネクタイを手に呆然と立ち尽くしてたって言っている」
もぐもぐとおにぎりを片手に食べながら大翔の言葉を聞きながら、熱いお茶を飲む
「この再現、本当にリアルにやりました？」
「ん？」
「だって、初めに着いた人さあ、声かけたりとか、なんかいろいろあるじゃん？」
「あるけど、だって誰も声をかけてないじゃん。で、そっちは？」
「あ、そうそう。皐月さんね、山城会長だけじゃなくて、家族全員から虐げられてたって、皐月さんのお母さんが証言してくれた」
「家の中に居場所がなかったってことか」
「それと…皐月さん、妊娠してる」
立花さんの言葉に飲み込もうとしていたおにぎりが飲み込めず、そのままギョッとした顔で立花さんを見た
「それは初耳だね」
「誰にも言ってないと思う。まあ、離婚したかったみたいだし」
「なるほど」
(え〜…まじか)
ゴックンと飲み込み、あぐとおにぎりを再び頬張った
『大翔、どうするの？』
「そろそろあの人にも、出走してもらいますかね」
『………』
完全に佐田先生のことだな？
ーーーーー
ーーー
ー
『で、なんで私がここに…』
「いいじゃないですか」
立花さんと一緒に佐田先生のお宅にお邪魔することになり、今は立派なリビングに座って女子会に参加している
「うちのパパは特別じゃないの？」
「うん、違う違う。だってうちの父親なんて、私に初めて彼氏できたって言った日、こっそり泣いてたらしいよ」
「へー。瑞姫さんは？」
『うちはね〜…身内総出で彼氏のこと見定めてたなぁ…』
「うわあ…認めてもらえたの？」
『高スペックすぎてね…』
アッシュ・リンクスという人物は確かに良い行いをしてきたとは言えない
でも、それでも彼の内側をみんな知ったから、だから認めてくれたんだ
「どんな人なんですか？」
『…すごいイケメン。誰からもモテちゃうんだよ…老若男女問わず』
「うわ〜…超不安かも」
『そうでもなかったよ。絶対に流されない自信しかない人だったし。すごくかっこよくて、強くて、優しくて…それでいてとても傷ついてる人だった』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年12月27日 10時
