元殺し屋はヒーローから海賊へ【Z】 (ページ28)

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頂上戦争後の2年間、伝説の海賊王の副船長“冥王”レイリーのもとで修行を重ね、今では覇気をコントロールする術を会得していた

あの頃の無鉄砲さは残るものの、強さには貪欲になるルフィには本当に舌を巻いてしまう

覇気は大きく分けて3種類

拳や武器にこめる“武装色”の覇気は、ときに悪魔の実の力を凌駕する
肉体を炎や光に変異させる自然(ロギア)系の能力者に安定したダメージを与えられるのは、海楼石の武器の他にこの覇気のみ

“見聞色”の覇気は、辺りの気配を察する
隠れた敵の位置だけでなく、相手の心を読むことさえできる
この覇気の使い手と戦った人間は、自分の考えが読まれてしまう

そして、今ルフィが見せた“覇王色”の覇気

この覇気を使えるものは限られており、100万人に1人とも言われている
鍛錬だけでは決して会得できない、それは王者の気迫であり、かのゴール・D・ロジャーも“覇王色”をまとっていた

その力は、まさに居ながらにしてこうして屈強な海兵たちの意識を奪ってしまうほど強力

『ホント、成長したわ…』

12年前から知っているけど、まさかこんなにもたくましくなるとは…

成長とは、嬉しいものだ

「おい、Zはどこにいる」

「……島の反対側……砂丘にて、我が軍の追撃を受けているはずだ……!!」

『いよっしゃ！やられた借りはきっちり倍にして返してやらァ…』

「こいつ、本当にヒーローなんだよな？」

「あぁ、世界が誇るほどのな」

「どっちかっつーと、悪い奴じゃねェのか？」

砂丘…つまり、この島の裏海岸ということか

『よし…ルフィ、ゾロ、サンジ、ウソップと私でいく』

「えーーーーっ!!? なんでおれ!!?」

『アッシュ、ロビン、ナミ、チョッパーはそのまま海列車に行って待機。いつでも流れるように準備してること』

「了解！」

「おう」

「青子〜！おれも、おれも待機組に入れてくれェ〜!!」

『さ、いくよ』

「おう!!」

「うおおおおおおい!!! 無視すんなァーーーっ!!!」

ウソップの叫びは虚しく、私には聞き入れてもらえることはない
悪いな、ウソップ。逃げる時に誰かが負傷した際に抱えてもらえるようにしてもらうために連れていく

ウジウジ泣いてついてくるウソップとともに、島の反対側へと駆け出した