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「お、鬼の子だと!?」
「ふざけんな!! んなこと聞いてねえ!!」
『……っ』
「レジーナ！」
「ふざけんな!! なんでまだ生きてやがるんだよ!!」
「人間の恥め!!!」
「お、おい！お前ら！」
罵声が飛び込んでくる
染み込んで拭い取ることのできない言葉がふつふつと僕の内側から浮いてくる
やめて
やめてよ
僕は
「さっさと処刑されちまえ!!! 鬼の子!!!」
張り詰めていた糸が、プツンと音を立てて切れた
アッシュside
「うわあああ！」
「鬼の子がキレたぞ!!」
食堂のテーブルやトレイをひっくり返す勢いで囚人たちを殴りつけ始めたレジーナ
俺が慌てて羽交締めにして押さえつけた
『僕が何をしたって言うんだ!!! 僕は……僕だって好きであんな親父から生まれた訳じゃない!!!
僕だって！生まれてきたくなんかなかった!!!』
そんな大きな叫び声に看守がきたが一方的にレジーナに対しての冒涜があったと言うことで俺が言葉巧みに誘導しお咎めなしにした
男たちは保健室へと運ばれたが、レジーナの表情は晴れなかった
『ごめんね…大騒ぎにしちゃって』
「いや…」
「鬼の子って…レジーナ」
『マックス。マックスはジャーナリストだから知ってると思うけど、言わないで…それだけは、誰にも知られたくないんだ』
「わ、わかった」
「おい、なんで」
『ごめん』
困った顔で笑って言うレジーナに俺は何も言えない
ちゃんと自分から言うからと言っていたから、俺は待つしかない
レジーナside
電話ブースで電話をする。出るか出ないか…出て欲しいと念を送りながら僕が受話器を握って呼び出し音を待っていると《はい》という声が聞こえた
『ルーイ？』
《レジーナ？レジーナか!? おまっ…今なんで刑務所なんだよ!!!》
『よかった！ルーイのところにはちゃんと情報が入ってて…実は、僕が出てくるまででいいんだ。少し頼みたいことがあるんだ』
《なんだ？》
『…アッシュのお兄さんを守って欲しい。できれば、その場にいた人たちのことも…人死を出さないで欲しい』
《…わかった。場所は把握してるからこれから張っておく》
『お願い…僕が行きたいけど、僕はアッシュを守らなくちゃいけないから』
《気にするな。しっかりな》
『うん』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年9月5日 11時
