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クレアのご飯を食べ終え、代金を支払って店を後にした
アッシュな連れられてきたのは、小さな家なった









『ここは?』

「俺と兄貴の生まれた家だよ」

『へぇ…』

「俺の母親は、兄貴の母親を追い出したくせに、俺を産むと今度は別の男と逃げちまったあばずれさ
そのうち親父がジェニファとあそこに住むようになって、ここは俺たち2人だけになったんだ」

『……素敵な家だね』







アッシュがドアを開けて中に入れてくれた
中に入ると少し埃っぽかったけど、換気をしているみたいで空気がひんやりとしていた







「おーい、アッシュ。レジーナはいたか?」

「あぁ」







階段から降りてきたショーターに近寄っていくアッシュを見てから、窓から外を眺めた
草木が少しずつ赤くなり始め、青い海も赤く染まり始めている






『……………自由って、なんだろう』






生まれてきて22年




僕は




自由の意味を世界に問いかけたい









「おい、レジーナ!!」

『ん?』








階段から英二くんを連れて出てきたアッシュに振り返った
なぜだか少し不機嫌だった







『どしたの?』

「車から毛布を下ろすんだ、手伝え!」

『う、うん』








何があったのか聞きたいところだけど、こんな怒ってるアッシュに聞く勇気などない
美人が怒ると恐いって本当なんだ…




外に出てみると、風の吹く丘の上に立って海を眺めている
沈みかけている夕陽を見ながら「いいところだね」と英二くんがつぶやいた








「なにもないところさ。いつも風が強い」

「嫌いなの?」

「………考えたこともない」

『……僕は好きだよ、この眺め』

「「え?」」

『故郷に、よく似てる』







一歩前に踏み出してその場に座った
ザワザワと草木を揺らす音と鼻を掠める潮風の匂い、海の音、全部懐かしい







『僕の全ては、ここから始まったんだ』








あの海の先にある、小さな島で…僕は生まれ、そして育った








「…レジーナの故郷はどんなところなの?」

『こことそんなに変わらないよ。あとはジャングルみたいな森があったり、栄えた町もあったり、のどかな村があったり…でも、唯一違うのは』

「?」

『ゴミが多かったこと』

「ゴミ?」

『とある海賊の漫画を知ってる?』

「う、うん」

『僕の故郷はね、その漫画の主人公の幼少期を過ごした島とそっくりそのままなんだ』










僕の島は














『人も、ゴミなんだ』

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年9月5日 11時

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