21-2 ページ49
「じゃあ、今はお友達と旅に出てるのね？」
『旅じゃなくて、追われてるんだ』
ぱくん、とクレアに作ってもらったご飯を食べながら答えた
クレアは働きながら資金を稼ぎ、そのお金で国を渡り歩くという夢を叶えている。子どもの頃、教えてもらったクレアの夢だ
「あなたの夢は叶った？」
『んー……まだ！』
「ふふふふ…！」
もぐもぐ食べながら次々とご飯を作ってくれる
『クレア』
「なに？」
『私さ、2年後に死ぬんだ』
「…え？」
ゆっくりと振り返ったクレアは目を見開いて驚いている
作ってもらったチャーハンを食べながらにっこりと微笑む
「…決めたの？」
『うん』
「ルーイが、怒るわね」
『んなの知らないね。私の人生は私の人生だ。誰かにどうこう言われる筋合いはないもんねー』
「ふふふふ！あなたは昔からそうだったわね」
『へへへっ。でも、本当に死のうとは思ってないよ。ちゃんと、“夢”を叶えたらの話だよ』
「その“夢”、ちゃんと叶うの？」
『叶えるんだ！』
叶えたいと思ってても、叶うもんじゃない
だから僕が叶えるんだ
「あなたの夢が叶う頃には、あなたの賞金も下がるといいわね」
『恐いこと言うなよ…』
「でも、あなたのお友達は大丈夫？言ってないんでしょ？」
『大丈夫だよ。子どもじゃないし。僕、あの中じゃ1番年上だし』
あーーーぐっと肉を口の中にめいっぱい放り込んだ
ジュワーと溢れ出る肉汁に『んん〜！』と声を上げる
「でも、心配してるんじゃない？」
『大丈夫、大丈夫』
「レジーナ!!! てめぇ、なに勝手に行動してるんだよ!!!」
『恐いっていうぐらい、僕のこと見つけてくるから』
「あらあら」
バダン！と扉を蹴破る勢いで入ってきたアッシュに『やっほー』とチャーハンを食べながら手を上げて答えた
「おー前ーはー!! 勝手に何も言わずに!!」
『まあまあ！こうして無事なんだし』
「メシ…？」
『クレアが作ってくれたんだよ』
「こんにちは。レジーナがお世話になってます」
「え？」
『クレアは僕が子どもの頃からの知り合いだよ。今は、こうやって店で働いた資金を使って世界中を旅してるんだ。行った先々で働いてね』
「へぇ…」
『クレア、おかわり!!』
「はいはい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 24人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年9月5日 11時
