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『シスター、一応相手を聞くと…』

「あなたのよく知ってる相手よ♡」

『うっそじゃん!? あのおっさん、そんな気してなかったじゃん!!』

「ふふふふ」













嬉しそうに笑っているシスターに僕が抗議するように叫ぶも、どうやら聞く耳を持つつもりはないらしい















「レジーナも、そろそろ身を固めなさい?あなたもう22でしょ?」

『うるさいなぁ…』

「ふふふ。あの人も心配してるんじゃない?」

『シスター…僕はそんなつもりないよ。どうせ2年後に』

「?」

『…なんでもない』














目を逸らして僕が黙り込むと「レジーナ」とシスターが僕の手を取った















「この世に生まれてきた人間は、生まれてきてはいけないなんてことはありはしないのよ
生まれてきた人間全員、神のご加護と祝福を受けて生まれてきてる…あなたも、祝福されてるのよ」

『………………………』













いくらシスターに言われても、僕は信じれなかった















『無理だよ、シスター。僕は…どこに行っても、望まれない』















シスターside







いつからだろう






あの子があんなふうに笑うようになったのは






出会う前からずっと苦しい顔をして笑う






そんなレジーナを、私は見てきたから思う















「ねぇ」

「?」

「あなた、レジーナのお友達よね?」










金色の髪の毛でとても綺麗な男の子に声をかける
「あぁ」と頷いてくれたその少年に私はホッとする











「あの子、いつもあんな顔をするの?」

「あんな顔?」

「ときどき、苦しそうな…」

「いや、あんまり見ないけど…俺の前だとニコニコしてるよ。あとはバカみたいなこと言ってるし」

「そう…」

「でもたまに、すごく遠くを見て寂しい顔をしてるよ。そういう時、何を聞いても笑って誤魔化す」













あぁ…何も変わっていない



大切なことを、大事なことを、笑って誤魔化すところも






苦しいことを、ずっとニコニコしてなんでもないようにするところも














「ねぇ…」

「?」

「これから、何があっても…」










どうか、あの子が








心から笑って















「あの子の、そばにいてくれる?」














大切な人と歩いていけることを








どうか、お許しください


















「言われなくても離れないよ。大切な友達だからな」















あぁ…神よ





どうか、悲しき子レジーナを、お守りください

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年9月5日 11時

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