太陽のように輝くキミへ II【BANANA FISH】 (ページ34)

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19話乗り込め！敵陣地！ページ34

『隠れ家って立派だね』

目の前に広がりますは李家の隠れ家。僕訪問2度目です

アッシュたちは別室で話があるらしい。といっても、僕は知ってるから別にいいんだけど
近いうちにクラブ・コッドが襲撃される。そこでアッシュはオーサーに狙撃されるんだけども…

『僕、銃とかあんまり使えないんだよな〜』

体術ゴリ押しで戦う方が向いている僕にそう言った小細工などの道具を使った戦い方は無理なんだよな
ヘッドホンから聞こえてくる落ち着く声。ウトウトしそうになって、目を閉じて…

「レジーナ」

『はいっ！』

「？」

部屋に入ってきたアッシュに『ど、どしたの？』とヘッドホンを首にかける。声聞いてたなんて、言えません

「なんか聴いてたのか？」

『え!? あ、あー…まあ、うん』

「？」

『そ、それよりなにか…』

「特に用件はないんだが…お前は俺についてくるんだよな？」

『うん』

「OK。その確認だけだ」

『そっか』

ベッドに座ったアッシュは「なあ」と声をかけてきた
僕は『ん？』と答える

「…仲間が言ってたんだが」

『うん』

「一緒にいた相手に、特別な想いを抱くことっていけないことか？」

『なんかすごく具体的だね。恋愛？』

「まあ、そうだな」

『いいんじゃないの？誰かを好きになることや想うことって素敵だと思うし』

「そうか…そいつ、人からそう言う好意を寄せられることに嫌気が差してて、自分が嫌なものを向けてもいいのか悩んでたらしいんだ」

『へぇ〜。別にそんなの向けられて嫌だなんて思う人いないんじゃない？』

「お前は？」

『相手にもよるけど…僕は置いていく側だから、なんとも言えないかな…だけど』

夜空に浮かんでいる黄金に輝く月を見て口を動かす

『僕は、人に思われて迷惑だなんて思わないよ。むしろ幸福だと思う
だけど、置いていく人間をいつまでも思っていてほしくない…いつかは前を向いてしっかりと足を動かして、大切な人を見つけてほしいと思うよ』

僕はキミを助けた後、きっと死ぬだろうから

この22年、キミのために生きてきたことがとても幸福だと思ってる
だってキミは、僕を大切な友達として迎えてくれたから

「……まるで、自分が死ぬみたいな言い方だな」

アッシュのその言葉に僕は微笑むだけで終えた