0.1の真実と100の愛2 (ページ6)

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頬に当たる優しい温もりで目が覚める
ゆっくりと体を起こすと、パサと何かが落ちて寝ぼけ目のまま手探りで拾いあげると大翔の上着だった

うーん、と体を伸ばすとキラキラと輝く何かが見えた
金色の髪の毛が太陽の光で輝いててとても綺麗…翡翠の宝石を思わせる瞳も輝いていた

『…………アッシュ』

寝言のような小さな声に「え？」と反応するのはただ1人。その名前の人物だけ

「瑞姫？」

『…………………』

そこでやっと覚醒した。私は今何を言った？アッシュの名前を言ったのか？しかも、カーレンリースではなく、愛称の「アッシュ」の方を？

口元に手を当ててやらかしたと脳が反応すると「お前…まさか」とアッシュが近寄ってくる
椅子の背もたれを掴み強引に自分の方に向けたアッシュは「憶えてるのか？」と不安げな瞳を揺らしながら聞いてくる

ユラユラと揺れている翡翠の瞳を見ていると「ふぁ…あ」という寝起きの声が聞こえてきた

「ふあっ…眠ぃ…あれ、アッシュ、瑞姫…起きて…………何してるんだ？」

ショーターが起きてこちらを見ている
私はハッとして大翔がいないのに気づいた。必ず起こしに来るはずなのにいないのだ
部屋の中を見回すと大翔の荷物すらないのに気づき、慌てて立ち上がるとアッシュの顎が頭に直撃した

『〜ったぁ…』

「おまっ……きゅ、に…」

『ごめんなさい』

顎を抑えてよろめいたアッシュに謝りながら自分の頭を押さえていると、スマホがブブッと机の上で震えた
画面には「大翔」と言う文字があり、スライドして電話に出ると《起きた？》と聞かれて『今さっき』と言う

《なんだ。モーニングコールしてあげようと思ったのに》

『っていうか、今どこ？事務所…にいないよね？』

《うん。今、佐田先生の家》

『え、なんで？』

《でさ、僕の机の上に置いてある写真持ってきて欲しいんだ。持っていくの忘れちゃったから》

『写真？』

大翔の机の方に行くと確かに数枚の写真が置かれている。それらを手に取り『あったけど』と言うと《じゃ、すぐね》と大翔がさっさと要件を終わらせてきた

《あ、それと》

『？』

《おはよう、瑞姫》

『…おはよう、大翔』

《うん。じゃ、待ってるから。すぐね、10分で来て》

『え、ちょっと』

ブツっと切れた途端、腕時計を見るとすでに8時は過ぎていた
すぐって、今から？