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佐田先生から受け取った資料を持って戸川さんがコピー機の方に向かい、私は残ったお弁当の中身をちびちびと食べた
卵焼き、許すまじ大翔
「吉田果歩、25歳。会社の金庫から現金1000万を盗み、窃盗の容疑で逮捕、起訴された
本人は無罪を主張している。15分後に依頼人が来る。以上」
佐田先生が簡潔に話すと「私に担当させてもらえませんか？」と立花さんが黙って読んでいた本を置いて立ち上がった
「いつまでも彼のサポートばかりは嫌です。被告人は女性のようですし、プライベートなことも聞くなら、同じ女性の方がいいんじゃないでしょうか？」
立花さんの強い主張に佐田先生は私と大翔、立花さんの顔を見比べると、「わかった」と頷いた
「今回の件は立花、それから白樺。お前らが主任をやれ」
「ありがとうございます」
『降ります』
「そうか、やってくれ…は!?」
立花さんが頭を下げている横で、食べ終えたお弁当を片付けた私が出て行こうとする佐田先生にキッパリと言った
「え？ええ？え、なんで？え？」と困惑している佐田先生に向かって「あれ？いいの？」と大翔がこちらを見て言う
「こういうの興味ないの？」
『いや、別に…それに、今日は』
「…あぁ」
大翔が思い出したように言うと「じゃ、今回は仕方ないね」と言う。佐田先生が「は？ん？何が仕方ないんだ？」と問いかけるも大翔は無視した
「白樺先生、どうして…」
「瑞姫？」
立花さんとアッシュが見てくるのを無視して『すみません、今日ちょっと用事があるので半休もらいますね。斑目さんには言ってあります』とだけ言って荷物を持って専門ルームを後にした
「え？えっ、白樺？白樺？え？え、ちょっと!? お、おい、深山！連れ戻してこい！」
「え、なんでですか？」
「なんでって…お前、仕事…依頼を蹴る弁護士がどこに」
「いや、瑞姫が休むって言ってるだけじゃないですか」
「いや、そうじゃなくて…白樺！戻ってきなさい！白樺!!」
「……なんで、平日になるかねぇ」
大翔は耳たぶを触りながら階段の方に歩いていく佐田先生を見てそう呟いた
事務所を出て、外に出てただひたすらに歩き続けて向かった先は下宿先のいとこんちだった
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年2月9日 10時
