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「ここまできてシラを切るつもり？ふざけんじゃないわよ！あんたのせいでその女性は死んだのよ！」
立花さんが店長の肩を掴み揺さぶる
「今回の事件は山下さんが殺したんじゃない。山下さんが刺した時点では木内さんはまだ生きていました。都合よく起こった事件に便乗して、あなたが木内さんが殺したんです」
「…証拠でもあるのか？」
「ありますよ、もちろん。もう言い逃れはできないですよ」
大翔が言ったところにオックンがビニール袋に入れられた封筒を取り出した
「あなたが丹下段平さんを口封じするために使った封筒です。これを警察に提出します」
オックン、キミいつからそんなに逞しくなったの…！
いや、無鉄砲な人だとは思ってたけどいつからそんなにはっきりと言うようになったの！いや、元からはっきり言う人だったけど！
オックンの驚きの一面を見て感心していると「あーあ」と店長がため息混じりに声を上げた
「あいつ、事件を被ったことをダシにして、俺を脅して一生言いなりにするつもりだったんだよ！あいつが悪いんだよ！」
やけになったように笑い始めた店長に大翔は眉をわずかに寄せた
「あなたは二つの罪を犯し、2人に罪をなすりつけ、自分は普通の人生を生きようとした。自分勝手に二つも命を奪った人間はそんなこと許されないから」
「…………僕はこの世で1番大切な人を傷つけた行為をした人間には、反吐が出るほど嫌いなんです
襲われた人間は、時間が経っても苦しめられる…あなたは、被害者の女性の心を殺したんです」
『…大翔』
怒りがこもっている声色に、アッシュはきっと気づいただろう
大翔がなぜこうまでして言ったのか、そして…大翔が言った「大切な人」という言葉の意味が
だってよくわかる。横から視線が向けられているから
警察のパトカーがやってくると、連行されていく店長を見ていると「言うねー」と大翔が立花さんに言うと「あなたが何も言わないからでしょ！あなたも何か言ってたけど、あれどう言う意味？」と聞かれて大翔は「別に？」ととぼけた
だから誤魔化し方が一択なんだよ
「お疲れ様でした」
「ショーター、飲みにいかね？」
「おぉ、いいな！英二、アッシュ、行くぞ」
「うん」
「…あぁ」
ショーターとシンが歩いていくのを見て、「僕たちもいこっか」と大翔が言うから小さく頷いた
歩き出した私たちの背中を、アッシュは静かに見ていた
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年2月9日 10時
