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「この状況で1番怪しいのは丹下さん、あなたということになりますね」
大翔に迫られて丹下さんは青くなって思い切り首を振った
「俺？俺はやってないよ。刺された男が大丈夫かと思ってすぐに駆け寄ったんだよ
そしたらあの男は生きてた。どうにかしねえと、と思ったらもう1人男が来たんだよ。俺はこんなんだろ？疑われたらたまんねえと思って隠れたんだよ。そしたら、刺さってたナイフでグサグサ、グサーッと…」
「「うっ」」
「何を今更」
「アッシュ…」
(毎晩のように銃で殺してたもんね、あんた)
その光景はもう慣れているのか、それとももう割り切ったのか…アッシュやショーター、シンはスプラッタについては滅法強いのは知ってる。結婚してから映画見てたらそういうのあって、ギャーギャー騒いでる隣で「あれじゃ死なねェな」とコメントしていたアッシュと、「殺るなら確実に喉元切れよなぁ」ってぼやくシンに、『もう絶対2人とは見ない』と言ったのは覚えてる
「思わず、おい！って声が出ちまって…そしたらこの封筒渡されてよ」
丹下さんがポケットから血まみれの封筒を取り出し「死にたくなければこれで黙ってろって」と差し出してくると「ハンカチハンカチ」とオックンがハンカチを取り出して封筒を掴んだ
「なるほど、やっぱり」
『ごちそうさまでした』
食べ終えたロールキャベツの入っていた容器をゴミ袋に入れていると、「お金はおっかねー。なあ、おカネさん」とこちらを見て言うもんだから『12点』と採点する
「オカネさんって、誰？」
「つまんねーな」
笑っているのは佐田先生と親父ギャグを言った本人の大翔だけ。アッシュやオックンはよくわからない表情で大翔を見ていた
「その男の顔は見てるんですか？」
「逆光ってやつで眩しくて、顔はよく見えなかったんだ」
「おカネさん？」
『寒い』
両腕を抱えて寒い寒いと言うと「え？」とニコニコした顔でこちらを見てくる大翔に『寒い』と言うと、「厳しいなぁ」と言ってリュックを背負った
ホームレスたちと別れてそのまま商店街を歩いていくと、「どうして大事な時にあんなつまらない親父ギャグ言うんですかー？」と立花さんが大翔に聞いた
「思いついちゃったんだろうね、昔からそうなんだよ」
「にしてもひどいですよ、お金はおっかねーって」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年2月9日 10時
