0.1の真実と100の愛2 (ページ20)

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「あれ？」

「あ、ちょっと！」

「ショーター、行くぞ！」

「おうよ！」

オックンが声を上げて、ショーターとシンが走り出した。橋の上に上がるのに苦労するかと思うと、そうでもなくひょいひょいと行く2人を見て、なんだか昔に戻った気がした

「明石さん、行こう。瑞姫も！」

『え、待ってよ!!』

明石さんに荷物を預けた大翔が走り出し、私も少し遅れて追いかける
アッシュも走り出し、大翔の横に並ぶと「先に行くぞ」と言ってさらにスピードを上げていく

『…………懐かしいな』

前もこうして走って逃げたりしてた。アッシュと一緒に追われる形でニューヨークを後にし、ケープコッド、ロス・アンジェルスを経由してまたニューヨークに戻り、ショーターと永遠の別れになった

じんわりと目が潤む。目の前に、ショーターがいるのだ。走っているのだ、シンとアッシュとオックンと
あの頃に叶わなかったものが今目の前で…

「待てーーい！」

明石さんが忍者みたいにぴょんぴょん飛んで橋に上がって大荷物を持っている男にすぐに追いつきそうになったが、男は持っていたスーパーの袋を振り回し、暴れ出した

明石さんに向かって鉢植えを振りかざされ「うわあ！」と怯んだ明石さんと男の間に入り、その手を引いて一本背負いをして男を投げ飛ばした

「おぉ！」

「白樺…乱暴」

「瑞姫すげぇ…」

投げ飛ばして『なんで逃げるの！』と固め技を入れると「いたたたた…俺、逮捕されちゃう？」と聞かれて「俺たちは弁護士だよ」とアッシュが答えた

「ああ、そうなんだ…ギブギブギブ!!」

悲鳴を上げたのでパッと離れると「はい、回収〜」と大翔が後ろからガバリと抱きついてくる
「だからイチャつくなよ！」という明石さんの声を無視して大翔はアッシュを見てニヤニヤしている

アッシュはニヤニヤとした大翔の顔にムッとして頬を膨らませた
かわいい拗ね方は前と全く変わっていなくて、ちょっとだけ嬉しかった

「ねぇ、あの3人どう言う関係なの？」

「深山は白樺大好き。白樺はアッシュが気に入ってるけど仲良くはしたくない、アッシュは白樺にゾッコン、深山はアッシュとライバル、白樺は深山大好き、アッシュは深山が白樺にくっつくのが気に入らない」

「つまり、白樺先生をめぐって2人が子どもみたいなことしてるってことね」