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「どう？美味しい？」
自信作なようで聞いてくる大翔に怒鳴るのを押さえてもぐもぐと食べると『ん、ん！ん!!』とぴょんぴょん飛ぶと「美味しい？よかった」と笑って容器に盛り付けている
『数日ぶりだ…』
口の中が幸せすぎる…と、大翔が「じっとして」と言うから何事かと思うと親指の腹で唇を拭ってきた
そのまま舐めとると「うん、美味しい」と笑っている。ぽかんとその一連の動きを眺めていると「おい、深山！」と佐田先生の声が聞こえて振り返ると立花さん、アッシュ、明石さん、その他大勢がいた
「あれ、何やってんですか？」
「こっちのセリフだよ、それは」
「僕は目撃者がいるって書いたから待ってるだけですけど」
「ね、だから言ったでしょ」
「何言ってんだよ。お前が心配させるようなこと言ったからこんな探し回ったんじゃないかよ」
「すみません、すみません」
佐田先生が明石さんに文句を言っているところに、大翔が私から佐田先生の方に歩いていくと、「なんだよ」と近づいてくる大翔に佐田先生が口を開いた
「同じところに傷が…」
「うるさいな、もう」
「壁に頭ぶつけたんですか？」
「そんなことするわけないだろ！」
『大翔じゃないんだから』
「口にソースつける人に言われたくない」
『連絡ひとつも寄越さないで心配させた人に言われたくない』
「ごめんなさい」
『はい、よろしい』
素直に謝る大翔に、「この兄ちゃん、面白いんだぜ」とホームレスの人がおもしろそうに言う。いや、何も面白くない
「あのな、その男に会いたいからっつってよ、ここで丸2日も泊まりこんでんだよ」
「それはもう執念じゃない。趣味だ」
「ホントそうだわ」
『丸2日って…』
「白樺、怒るぞまた」
『着替えはどうしてたの？』
「そこじゃない！そこじゃないんだよ、白樺!!」
明石さんのツッコミをスルーすると、「うん、大丈夫」と笑って言う。なにが大丈夫なのだろうか…私だけか？感覚がおかしいのは
「おっすー！」
そんな時、橋の上から声が聞こえてきて顔を上げると、赤いジャンパーにニット帽。手にはスーパの袋と「金のなる木」というプレートがついた植木鉢を抱えている
「あ、あいつだよ！」
「あの人？どうも！」
大翔が橋の上に向かって手を上げると、男はハッと表情をこわばらせて走り出した
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年2月9日 10時
