元殺し屋はヒーローになる29 (ページ10)

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「魂に刻まれたその信念を人は称えた！
お前ごときがオールマイトを量るな、あの女を見ろ！
「結果(・・)」だと!? これは“過程”だ！
彼の残した埋火(うずみび)は、雨風に負けずわずかな人間たちの間で火継され、今新たな大火へと進化しつつある！
ならば人はその火を絶やしてはならない。生ある限り、醜くもがいてでも焼(く)べ続けなけれならない！」

その姿が、女性のその優しい心が、オールマイトの心を震わせた

「英雄の心は他がためにのみ存在を許される…だが、神が地に伏せ(・・・・)人のか弱き心をも得たのならあるいは」

「！キミ、なんでそのこと(・・・・)を、まさかずっと…!?」

「俺はお前など知らぬ。もしお前が本当に真の英雄なるば、そのタルタロスでの情報(・・)を使え
そして必ず、この“ヒーロー40名殺傷犯(ステイン)”を終わらせに来い
全ては、正しき社会のために」

地面に突き刺さったナイフと紙

ステインが歩き去っていく中、雨はそっと止み始めた

そこには、青空が見え始めていた

ーハイツアライアンスー

「お湯の温度は42℃!! 沸かせーーー!! 脱がせーーーー!! 洗えーーーー!! そして浸かれ!!」

男子風呂からエグい声と音が聞こえてくる
女子風呂を隔て、声もあまり聞こえないはずなのに、聞こえるということは相当叫んでいる

女子のみんなは、ゆっくりと入っておいでということで私だけを入れてくれた
E組のみんなは避難所に戻って、何かあれば必ず連絡しろ、背追い込むなと散々言い残して行ってしまった

1人広い風呂を使って少し落ち着かない
ちっちゃくなって足を抱えてブクブクと顔をお湯につけて息を吐いた

『さみし…』

ポソッと呟いたら「青子ちゃん」と梅雨ちゃんざ覗いてきた

「一人で寂しい？」

『えっ、あ、いや…』

「ケロ？」

『ちょっと、だけ…』

「轟ちゃんが一緒に入りたいって言ってるけれど、どうする？」

『ダメ！遠慮するっ！』

ザバッと湯船の縁に手をかけて立ち上がると「ケロケロ、フラれちゃったわね」と梅雨ちゃんが言う
ひょっこりと顔を覗かせて「ダメか？」と顔を見せた焦凍

「…………デカい」

ﾊﾞｼｬｧｧｧｧｧｧｱｧﾝ！

「うおっ!? 女子風呂、なんだ!?」

「えろの匂いがする!!」

「やめな？入ってるの、夜神月だから」