246話 小さな火から ページ9
「最早、足を引っ張るだけだ、オールマイトよ」
それだけ言い残したオールマイトは、その場を去ろうとした
「それは英雄への冒涜か？取り消せ、愚人」
「ヒーロー殺しステイン…！」
そこにいたのは、保須市にて緑谷、飯田、轟、青子によって捕まったヒーロー殺しステインだった
「私が現役だった頃は決して姿を見せなかったくせに…まさかこんな形で先延ばしになっていた面会が実現するとはね…」
「何を言っている」
「ああ、そうか…捕まってから色々あったんだ。私はオールマイトだよ」
「違う。お前はオールマイトじゃない」
「信じられないのも無理はないさ」
そう言ってオールマイトは、トゥルーフォームからマッスルフォームに姿を変えたものの、すぐに姿を戻し血を吐いた
「で？殺すのかい？にしては…」
「違う、お前はオールマイトじゃない。贋物め
ここは英雄の聖地。この地で英雄の名を騙るお前は何者だ？なぜ騙る、言え」
「…騙る…か、…確かに…昔から何かせずにはいられない
許せなかったんだ。理不尽に奪い、理不尽に奪われる日常が
無力でも、動かずにはいられなかった。世界をよくしたかった。そして走り終えた
その
なんなんだろうな。私だけがヒーローから遠ざかり続けている」
その時、いきなりステインがオールマイトに飛びかかった
殺すつもりなのかと思えばそうではなかった
「まだ肩組むほど仲良くは」
「ちょうどいい、見ろ」
「また掛けてある…！もお…こりろっての〜〜〜〜…」
板がかけられているオールマイト像にコソコソと現れた女性は、板を切って汚れている像を拭き始めた
「日に一度、脱ヒーロー派による冒涜を浄化している。おそらくは近くの避難所からだろう。避難所の人間には傍迷惑な行いだろうな」
「無駄な危険を…！彼女は一体…？」
「オールマイトが、最後に救った女だ」
神野区のあの最後の戦いで、助けた女性だった
「オールマイトは、如何なる時も笑ってその身を人々に捧げた！それは“
オールマイトという人間が、そのようにしか生きられぬのだ」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年10月21日 10時
