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「何も進展のない……遠回りをさせただけだ」
「進展なら、ありますよ。ここにあったんだ。ワン・フォー・オールは人々の心が紡いできた力の結晶」
「青子…」
(オールマイトが緑谷くんに繋いだ。緑谷くんをA組が繋いだ。ウラビティが
焦凍くんが青子ちゃんを繋いだ。青子ちゃんをE組が繋いだ
そして
「………」
「………」
「ヒーローが暇を持て余す、笑っちまうくらい明るい未来です」
「親父。
「あぁ…」
傘を差し出して濡れないようにする者、ガンを飛ばす者にツッコむ者、涙を流しながら歩く者、友達に肩を抱かれて歩く者
進展は、ここにあった
「私には敵わなかった。けど、キミのクラスがやってくれたよ。相澤くん」
《……委員長によくやったと伝えてください》
「脚の調子は？」
《さすがにミルコのようにはいきません》
「…黒霧の方は？」
《毎日声をかけてはいますが、残念ながら進展はないです》
「キミとマイクの呼びかけに応じたことをきっかけに、復元研究のためセントラルに秘匿搬送された脳無…黒霧
彼の“個性”のコピーはミルコとラルラヴが潰した
もしあのまま、白雲くんの意志を取り戻してなければどこも砦にはなり得なかった
か細く、朧げでも、逆転の糸は紡がれている」
《トガの対策は引き続き？》
「あぁ」
相澤の問いかけに根津が答えた
「彼女の血液摂取と変身時間の制限を割り出した。避難民は一定期間の隔離を経てから雄英に入っている」
《雄英は砦。ここからがリベンジです》
「ああ、もちろん」
相澤と根津の電話の会話の中、雄英に背を向けて歩き出す男の姿があった
「ドコヘ行カレルノデ？」
「まだ避難を拒否している脱ヒーロー派の様子を見に行く」
車を走らせているのは、オールマイトだった
脳裏に思い出されるのは、背を向けて飛び立った緑谷と青子の姿
手を伸ばしたその背中が、届かなかった
「………お前は、弟子と教え子が辛い時、なにもしてやれなかった」
いつか、相澤が言っていた
生きてここにいる。それだけで背中を押される人間が沢山いると言うことを
オールマイトの像には、「I AM NOT HERO」の文字が書かれた板が下げられていた
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年10月21日 10時
