244話 一歩 ページ4
《デ…緑谷出久と夜神月青子は特別な力を持っています…!!》
「だからそんな奴らが、休みたいからってここに来るなよって話だろうが」
《違う！迷惑をかけないよう
連れ戻したのは私たちです！》
「麗日さん…」
『麗日、ちゃん…』
拡声器で広がってい声に私と緑谷は見上げるばかりだった
《2人の力は…！あの…特別で！オール・フォー・ワンに討ち勝つための力です！
だから狙われる！だから行かなきゃいけない!!
そうやって、出て行った2人が今どんな姿か、見えていますか!?》
ズタボロの私たちを見てる一般市民よりも、大きな声で叫ぶ麗日ちゃんの方が私は目を向けた
一般市民からの視線なんかよりも、大きな声で自分の気持ちを訴える麗日ちゃんが、雨の中なのにすごく鮮明に見えた
《この現状を1番どうにかしたいと願って、いつ襲われるかもわからない道を進む人間の姿を、見てくれませんか!?》
「助けてくれた子たちだ…」
《特別な力はあっても!! 特別な人なんていません!!》
「こいつらを守るシステムもある……夜神月、てめぇが考えたシステムだ。でも、不安は残っちまう
てめーらが拭えねーもんは、こっちで拭う」
グイッと腕を引かれて立ち上がる
(その一歩が、どれほど困難なモノか。私は思う。この困難な一歩を道と成した時、そこに
ふらつきそうになるのをなんとか踏ん張って立ち上がって、麗日ちゃんを見上げる
「……ボロボロじゃん」
「弱そう…」
「……戦ってたんだ。私を助けてくれたあとも、ずっと戦ってたんだ…」
「……っ、……見たら…なんだよ…!? まさか…俺たちまで泥に塗れろってのかぁ!?」
《泥に塗れるのはヒーローだけです!! 泥を払う暇をください!!》
「お茶子ちゃん…！」
鼻の奥が痛くて、目の奥が厚くて、視界がぼやけていく
「緑谷くん、青子くん、麗日くんは今、戦っている」
『…………』
(キミ達を含めた全ての人の、笑顔のために)
「麗日さん！」
『
大粒の涙が溢れ出てきた
《今！この場で安心させることは…ごめんなさいっ、できません!! 私たちも不安だからです!!》
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年10月21日 10時
