元殺し屋はヒーローになる29 (ページ16)

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男の子って声じゃなくて、男の声になってた
すぐに降りたら焦凍は「トイレ行く」と言って行ってしまう

1人部屋に残された自分は、帰ってきただけでいろいろと疲弊した

焦凍のアレ、合宿の時チラッと見えたけど…なんていうか、おっきいけど…生理現象起きると、あんなにおっきくなるなんて聞いてない

『どうしよう…』

好きって、そういう好きだよね？
結婚したいって小さい頃言ってたし、あれガチだったら？

『どうしよう』

あんなん、無理でしょ

5分ぐらいで戻ってきた焦凍は「もう寝ろ」とふて気味で言う
枕使ってと言ったら、「いいから寝ろ」と押し込められた

『…焦凍、疲れてるじゃん？枕使ってよ』

「いいから、使え。俺よりお前の方が疲れてるんだぞ」

『…じゃ、こうすればいい』

「え、おい」

焦凍の腕を伸ばしてそこに頭を乗せる

『これなら枕いらないでしょ？』

少し驚いた顔をして「ん」と頷いてひっついてきた
ポカポカとする焦凍のおかげで、なかったはずの睡魔が急に襲いかかってきた

(生殺し…)

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朝、太陽の光に照らされて眩しく感じて目を開ける
時間にして7時過ぎだった。起きるには十分な時間だ

身動きが取れずに顔をあげると、焦凍が小さな寝息を立てながら眠っていた
優しく撫でてからゆっくりと起き上がる。あっさりと拘束が解けて、静かに部屋を後にした

アライアンスの外に出て近くのベンチに腰掛けた

《夜神月！》

『あ』

《おはようさん、早いな》

『プレゼント・マイク』

朝から会ったのはプレゼント・マイクだった

《大丈夫か？体調とかは》

『なんともないですよ。それよりどうかしたんですか？』

《あぁ、お前さんに…ラルラヴから届け物だ》

『…ラルラヴから？』

受け取ったのは、銀色のロケットペンダントだった
蓋のところが僅かに汚れていて、横にあるつまみを押してみても蓋は開かなかった

《お前に絶対渡してくれって頼まれてな…》

『…ありがとうございます』

《…ファンシーズのことだが》

『大丈夫です。兄さんたちが選んだ道なんだって、言ってそうですから』

受け取った銀色のロケットペンダントが、何を意味しているのか知らない
だけど後に知ることになる。自分の過去、生まれた出生、そして…オール・フォー・ワンよりも巨悪と出会うことを