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24話 抜重ステップ ページ26

雪都side





あれから、賢ちゃんの視線がずっと突き刺さっている
一緒に帰るのをやめたあの日からずっとである



なんとなくやりにくい














チラッと見れば、フイッと顔を背けられて、前を向けばまたこっちを見てくる
















「遊佐の奴、完全に怒られた母親に謝る時の子どもじゃん」

「今度は何が原因だよ」

「なんか、平井と桐崎の関係について聞きたいのに聞かずじまいでソワソワしてる上に、喧嘩してるんだって」

「「なにっ!?」」

『?』











小林くんと筒井くんが驚いている声をあげている中、水嶋くんの練習を見ている
ノック練でしごかれている水嶋くんは必死に球に食らいついているものの、体はついていけていない












「田村さん、もう1回お願いします」

「水嶋、少し休んだ方が…」

「……いえ」











うーーーーん…足なんだよなぁ















『田村くん、ちょっといい?』

「え?あ、あぁ」

『水嶋くん』

「あ、はい!」

『右に行きたい時は右足を外すんだよ。左足で蹴るんじゃなくて』

「右足?」

『そう。その方が早く反動で移動ができるの。えーと』

「水嶋、ラケット貸してやってくれ」

「えっ?あ、はい」

『ごめんね』












水嶋くんのラケットを借りてコートに入る
『お願いします』と声をかけて田村くんにノックを打ってもらう









『こうやって…』

「あっ」












パンッ!といい音がラケットの面に当たる
コンッと向こう側のコートに入ったのを見てから『わかった?』と聞くと「それ、それです!」と言われる







『これ、抜重ステップっていうの』

「バ、バツ…ジュウ?」










カタコトで言う水嶋くんにクスクス笑いながら『そう、抜重ステップ』と頷く











『体重を抜くっていう技なんだけど…じゃあ、ここに立って、私がやったように右足を外してみて?』

「は、はい!」










言われるがままに示した位置に立って、右足の力を抜いた水嶋くんは「うわっ」と右に倒れ込みそうになるのを、あらかじめ右に回っていた私が受け止める











『今、体が勝手に倒れそうになったよね?』

「はい」

『倒れそうになった体を支えるために右足が出るから、もう一度外してみて』

「は、はい…」













私の言った言葉通りにやってみた水嶋くんは「え!?」と驚き、スッと滑らかに素早く移動した

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ミホ(プロフ) - 続きを…読みたいです。2人がくっつくとこを見たい…(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ (3月7日 23時) (レス) @page48 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
リサ(プロフ) - 続き待ってます! (3月2日 9時) (レス) @page48 id: a9b99ba3cf (このIDを非表示/違反報告)
キノコ - 続き読みたいです!更新して下さると嬉しいです。待ってます! (6月21日 3時) (レス) @page48 id: ba043a6765 (このIDを非表示/違反報告)
ラズリ - 続きが読みたいです。ゆっくりでいいのでまた更新してほしいです (2023年1月14日 2時) (レス) id: c77d87d099 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - すごく面白いと思いました!自分のペースでいいので、更新がんばってください! (2022年11月13日 9時) (レス) @page32 id: 4774474826 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年8月28日 11時

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