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23-4 ページ25

『私は私が行きたい大学に行く。いつまでも私が行くからって自分の人生を決めないで』












しっかりと見つめられたその瞳に俺は何も言えなかった





背中を向けて歩き出した雪都に「あ、おい!」と追いかけようとすると『送らなくていいから』と言われた













『私、これからは賢ちゃんとは帰らない』

「え…」

『私はこれから、自分がやりたいことをするために、やりたいことができるようにするために、自分のために時間を使う
部活はちゃんとするし、勉強もする。だけど、その他のことは自分でする。いつまでも賢ちゃんとお揃いはしない』













今までにないぐらい強い意志を感じた
なぜだか、急に取り残された気がしてならなかった












「…勝手にしろ」













勝手に出た言葉に驚きながら、俺は歩き出した
















(こんなこと、言いたいわけじゃない)














なら、俺は…雪都に何が言いたいんだ?


















ー翌日ー






「(ボーーー」

「…ど、どうした?」







昼休み。横川の机の近くで昼飯を食べる
いつもなら雪都を引っ張り出して連れてくる俺が何もせずにボーってしていることに驚いているらしい





いや、驚いてる









「別に…なんでもねえよ」

「桐崎と喧嘩でもしたのか?」

「してねぇ!」

(したのか)









ムキになって言い返すと「あ」と横川が廊下を向いた
俺もつられてそっちを見ると、雪都とたしか…












「平井じゃん」

「なんで雪都と…」

「え、知らないのか?」

「なにが?」

「桐崎、平井に告白されたんだよ」

「え?」

「花火大会の日。ほら、内田の家でバーベキューするって言ったあの日のあとに、花火大会」

「あぁ…」

「そん時に告られたんだって。クラスの女子が言ってた」













あいつ、そんなことひとつも…













ズキッ…










「…?」

「遊佐?」

「………なんか」

「ん?」

「胸が、痛い」

「え?」











ズキズキする



平井と雪都を見ていると














「横川、心臓がすげぇ痛え」

「だ、大丈夫か?保健室行くか?」

「いや…」













その後の授業も、平井と一緒に歩く雪都の姿が頭にチラついて集中できなかった















(なんで…なんで、なんで…)













こんなに、心が揺れるんだ?

24話 抜重ステップ→←23-3



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ミホ(プロフ) - 続きを…読みたいです。2人がくっつくとこを見たい…(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ (3月7日 23時) (レス) @page48 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
リサ(プロフ) - 続き待ってます! (3月2日 9時) (レス) @page48 id: a9b99ba3cf (このIDを非表示/違反報告)
キノコ - 続き読みたいです!更新して下さると嬉しいです。待ってます! (6月21日 3時) (レス) @page48 id: ba043a6765 (このIDを非表示/違反報告)
ラズリ - 続きが読みたいです。ゆっくりでいいのでまた更新してほしいです (2023年1月14日 2時) (レス) id: c77d87d099 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - すごく面白いと思いました!自分のペースでいいので、更新がんばってください! (2022年11月13日 9時) (レス) @page32 id: 4774474826 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年8月28日 11時

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