元殺し屋はヒーローから海賊へ【STRONG WORLD】 (ページ16)

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「うぉ！あの島、でっけェ!!!」

ルフィの声でその先を見ると、ひときわ大きな島が確かにあった

「着いたか…」

大きな島を見上げていた私たちの近くに、シキが歩み寄ってきた
突然雰囲気が変わったシキを見上げると、ニタリと怪しく笑った

「ここはメルヴィユ!! 冒険好きなお前らには、うってつけの場所だろう！東の海(イーストブルー)に行く前に、ちょっと遊んでくるがいい!!」

『ちょっ!?』

「おいっ!!」

いきなり私を抱きかかえたシキに私は抜け出そうとしても両腕が使えないように関節を決められた

ルフィやゾロ、サンジたちが駆け寄ってくると、シキは「どっこいしょ！」とサニー号にかけていた能力を切った

「「わっ!!?」」

『ルフィ!! アッシュ!!』

下へと落下していくルフィたちを見るだけでその場に止まっている私は叫ぶしかなかった

「“異端者”はもらった！ジハハハハハ!!」

「「うわぁああああああ!!!」」

「青子っ!!」

『ルフィ!!』

ルフィの伸びた腕がこちらに飛んでくるが、シキは指をくるくると動かした
その動きに合わせてサニー号が動き、一味を全員マストで打ち飛ばした

『ルフィ!!! アッシュ!! みんなーーーっ!!!』

散り散りになっていく仲間たちが遥か彼方へと消えていく姿を、私はシキに抱えられたまま見送るしかできなかった

ー現在ー

『…………』

ついこの1週間前の出来事

シキはこの王宮に私を軟禁し、自分の航海士で戦闘員となるように要求し続けてきた
それを私はもちろん断り続けている

私はナミのような航海知識を持っていないし、今は教わりながらという感じだから十分な知識も経験もない

さらに言えば、その力を使うのはシキのためじゃない

他ならぬ、弟のために使いたい

「シキ様！新しい進化の形が出現しました！ご覧ください！」

オナラの音を鳴らしてインディゴが大きな鳥籠を抱えてやってきた
顔を上げてそちらに向ければ、カゴの中には異端の鳥が入っており、トサカのついたアヒルのような愛嬌のある姿をしている

ダチョウ並みの大きさだ

「え？ギター？」

「鳥だろ、どう見ても！」

またポーズをとる3人に無遠慮に、カゴから出てきた鳥が放電した