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50-3 ページ48

愛菜side


善は急げ、ということで拓也と実を連れてパパの会社の前のレンガの植木に腰掛けている

あの人、いるかなあ




実「あー」


どーしよ、昨日の人だ!!

声かけなきゃ、かけなきゃ

かけなきゃ…

そう思ってるうちに歩いて行っちゃう女の人

かけ…


くるっ


ドキッ


え!?

なんで、振り向いて…


安西「もしかして、昨日の…榎木課長のお子さん?」


『あ…はい』


安西「こんな所でどーしたの?お父さん待ってるのかしら?」


『いえ…あの』


聞かなきゃ、聞かなきゃいけないのに…


安西「あら」


実「う?」


安西「かわいい」


『え…?』


すとん、と実の前に膝を折る女の人

子供好きなのかな…?


安西「ぼくは、いくつかなー?」


実「あのねーーー、みのねーーー、ふたっちゅなのーーー」


拓也「2歳です」


安西「そーーなのー」


ハッ


『実を、手懐けないでください!!』


ばっと実を抱き寄せる


安西「手懐ける?」


『パ…パパのこと、どー思ってるんですか!?』


頭が混乱して、どんどん言葉が先走ってしまう


安西「え?」


『私は、パパの再婚には賛成できません!!』


と、立ち上がって拓也と実の手を引いて走った

けど、つまづいてこけてしまった


拓也「愛菜!?」


実「ねーちゃあ」


『痛いよー痛いよー』


安西「大丈夫?」


ズキズキと痛む擦り傷に、女の人はハンカチを当ててくれた


安西「あーあ、血が出ちゃってるわよ」


あ…なんか、いい香りがする…


安西「あのね、心配しなくても大丈夫よ」


『?』


安西「おばさん、だんなも子供もいるのよ」


『え?』


安西「それにね、私と君たちのパパはすごく年が離れてるのよ。
こんな年寄りが恋の相手なんて考えちゃ、パパが可哀相だわ。
周りがみんな笑っちゃうわよ」


…………。


『……、ごめん…なさい』


安西「?どーして謝るの?」


だって…だって


『だって…私の勘違いなのに…そんな、自分のこと悪く言って、すごいつらそーな顔してるんだもん』


泣きそうで、辛そう



その頃、パパは


春美「せっかく早く帰ってきたのに、拓也と愛菜と実、どこ行ったのかなー?」


3人の帰りを待っていた



安西「ありがとう…」


『え?』


安西「本当にいい子なのは、成績がいいとか手がかからないとかそんなことじゃなくて、人の痛みをわかることができる子なんだわ…。
きっと…榎木課長は幸せね…」

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サッカーバカ(プロフ) - 桜さん» ゆっくりと更新していきます!ちょっと多忙なので、ちょくちょく更新します! (2019年6月16日 8時) (レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - もう更新しないのですか?寂しいです。待ってます。大変でしょうけど頑張って下さい (2019年6月16日 0時) (レス) id: 1036e13532 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2019年5月2日 23時

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