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26-8 ページ12

藤井『もしもし？』


『藤井っ、君…』


藤井『えっ、あのっ、どちら様…？』


『愛菜っ、です』


ずっ、と泣きながらそう答えれば『は？』と答えが返ってくる


藤井『ちょっ、おまっ…なんで泣いてんだよ!?』


『ううー…。パパが』


藤井『？』


『パパが怒ったあ…』


藤井『は？おい、愛菜。何があったんだよ』


『うう…うーー…。あのっね、パパとママが、結婚した、理由ねっ…私と拓也がきっかけだったって、おばさんが、言ったの…』


藤井『うん、それで？』


『でね…パパに、言っちゃったの…

「私達なんか生まなきゃ良かったんだ」って…』


藤井『愛菜…お前それ、怒られるに決まってるだろ』


『うう〜〜っ』


藤井『おい、落ち着けってっ!!』


ボロボロ泣きだす私は、ずっと目をこする


『藤井君…私っ、どーしたらいいか、わかんないよお…
パパを怒らせちゃった…。パパを信じたいのに…おばさんの言葉が、頭から離れないんだ…』


藤井(これ、相当愛菜…参ってるぞ…)


電話口で藤井君にそう言えば『そうか』と落ち着いた声と、クシャッと音がした


藤井『気がすむまで、泣けよ。それまで、俺が聞いてやる』


『うう〜〜っ』


泣き止むまで、落ち着くまで藤井君に電話してた

ずっと私が泣き止むまで、電話口にいてくれた


藤井『落ち着いたか？』


『うっ、ん』


ぐしっ、と涙を拭く


藤井『今日はおばさん家に泊まるのか？』


『帰れないもん…』


藤井『そっか…。榎木と実は？』


『お部屋行ってる…』


藤井『…愛菜』


『？』


ぐすぐすとしていると、『俺が渡したお守り出せ』と言ってきた

言われた通り、赤いお守りを取り出す


藤井『怖くなったり、寂しくなったり、泣きたくなったらそれを俺だと思えよ。今は隣にいてやれねーけどさ、そのお守りが俺だと思えば、ちょっとは気が休まるだろ？』


『う、ん』


ずびっと鼻水を拭く


藤井『帰ってきたらまた聞いてやるから…今はそいつで我慢しろよ』


『う、ん』


こくっと頷き、『じゃあ、切るぞ』と藤井君が言う


『藤井君』


藤井『？』


『ありがとう…』


藤井『どーいたしまして…』


ガチャッ、と受話器を戻す

お守りを握り部屋に行くと、まだ泣いてる拓也

その傍にいて眠っている実がいた

実に…なりたいな…

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ときな - わかります！赤ちゃんと僕 は神作ですよね！ (2020年5月21日 21時) (レス) id: 5a5ed3b2d6 (このIDを非表示/違反報告)
 ムスカリ#(プロフ) - 赤ちゃんと僕は私も大好きなんですけど、特に昭広が好きで、この作品をお気に入り登録しました！とても面白いと思ったので、更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2020年4月13日 14時) (レス) id: 562931235a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名：サッカーバカ | 作成日時：2019年4月9日 23時

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