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『でも俺は、俺の身体は、まるで機械みたいに反応して人を殺し傷つける
何も考えず、何も感じず…これほど自分を恐ろしいと、恥ずかしいと思ったことはない』
組んでいた手をゆっくりと開いて、俺は自分の手を見る
血まみれで汚い、人の手とは思えないそんな手…こんな手で、あの優しい2人に触れてはいけないのだと思えば…
『もう二度と会わない…でも、あの2人は俺の大切な友達だ。たとえ一生会えなくても…想うことぐらい許されるだろう？』
「…これから、どうするんだ？」
『別に。黒桐を解体したあとは、小さな田舎町にでも越して余生を過ごそうかなって』
「その年で余生か。長くなるぞ？」
『別にいいさ…どうせ都会に行くなんて、E組の奴らと会う時ぐらいだしな』
「……私と一緒に、カリブへ来ないか？」
『………「自分の孤独を埋めるため」に、俺を連れてくのか？』
「……」
『らしくないよ、セルゲイ』
「そうだな…今のは忘れてくれ」
静かに微笑むブランカに俺は立ち上がって前に立つ
『じゃあ元気で…また何かあれば』
「あぁ…お前も」
さよなら、師匠
楽しかったよ
セントラルパークを出て空を見上げる
俺には似合わない青空が浮かんでおり、冬とは思えないほどの晴天だった
『さてと…』
ーーーーー
ーーー
ー
カフェテリアで本を読みながら寒空の下でコーヒーを飲む
ブランカがカリブへと発った翌日、アッシュと奥村くんが日本へと発つ日だ
「いいのか？」
『なにが？』
「見送り。アッシュの奴、きっとカンカンだぜ？」
『知らね』
コーヒーを飲もうと口をつけたその時「叶兎！」とシンが盛大な声が響き、ブホッとコーヒーを吹いた
「なんで空港行かないんだよ!!」
「シン、タイミング…」
ボタボタとテーブルを濡らす黒い液体。幸にして本は直斗が救ってくれた
「なんで会いに行ってやんねぇんだよ。あいつ今日、日本に帰っちゃうんだぜ!? アッシュだって！」
『んなこと知ってる。チケット、俺が手配したんだから』
「じゃなあんで、友達だろ!?」
『だからだよ』
「え？」
『奥村くんを元の世界に戻す。アッシュを銃と殺し合いの世界から解放する。二度と、あの2人をこの世界を関わらせないためだ』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年7月28日 9時
