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アッシュside
「それが設計図かい？」
「あぁ」
俺のスマホに映し出された画像を覗き込むブランカに頷くと「あいつ、お前には言わなかったのか？」と聞くとブランカは「あぁ」と頷きながら画面を見ていた
「彼が私に頼んだのは２つだ」
「ふたつ？」
「お前たちが速やかに退散できるよう、バックアップしてくれということ」
「じゃ、初めから捨て駒に…」
「賢明な判断だな。何も全員が死ぬことはない」
「あんたが今ここにいるのも、賢明な判断？」
「それは言いっこなし」
「…もうひとつは？」
「え？」
「頼んだのはふたつ目、なんだ？」
「…………………」
「教えろよ、ブランカ」
無言でスマホに目を落としていたブランカが「彼が、お前たちのそばを離れたのを覚えているか？」と聞くのに頷く
「埠頭で頼まれたんだよ。自分がアッシュを傷つけたら、自分の代わりにアッシュを守ってくれとな」
「え…」
「実際、彼はお前を傷つけた。彼のせいではないが、彼の部下がそうした…そうだろう？」
「…………」
「あの子は、大切なものになるとひどく臆病になる。お前と同じさ」
ブランカのその言葉に、俺はあのひどく傷ついていた叶兎の顔を思い出す
あいつは、一体…どういう気持ちで俺に責められたんだろうか
「……この最上部のエリアは、他と構造が違うな」
「どういうこと？」
「この構造からいくと…格納庫」
「そこにあいつが？」
「可能性としてはあるな…」
格納庫に向かうために俺たちは歩き出し、突き当たりの扉の前でボタンを操作するも開くことはなかった
「ダメだな、ロックがかかってる」
「くそっ…」
「そこのダクトから屋上に出て、外部から進入するしかないな。…キミ達、閉所恐怖症じゃないだろうね？」
「あんたこそ、そのでっかい図体で入れんの？」
「引っかかるだろ、どう見ても」
俺、シン、ブランカの順番にダクトの中に入りゆっくりと進みながら銃声が近くになってきたのを感じていると、ベコンという音に振り返る
「いだっ、いだだだだだ……」
「おい…」
「なはーーー……」
完全にダクトに詰まったブランカに俺とシンが冷たい視線を向ける
体格が立派なのはいいが、こういうのはマジでない。ホントにない
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年7月28日 9時
