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「お茶のおかわりはいかが〜?」
「あ、もらいます」
英二が昭輝からお茶のおかわりをもらっていると、浴槽から引き摺り出された叶兎が、客間に連れて来られて机の前に座らされた
机の上には温められたご飯が置かれており、直斗と大和はゼェハァと肩を上下に動かす
「お前の好きなお茶漬けだ」
「飯食えば目が覚めるだろ、流石に…」
「昭輝、お茶…お茶を頼む」
「はいはーい」
「だーーーっ…疲れた〜…流石にこれで起き」
ガチャンッ
「「………………………………」」
お茶漬けなる茶碗をぶっ転がして眠りこくっている叶兎に流石に2人もキレた
「「これでどうだ!!!」」
「5分で飯だ!!!」
「さっさと頭覚ませ馬鹿野郎!!!」
賑やかだな、この家は
本当に5分程度で戻ってきた叶兎は、タオルで髪の毛を拭きながら客間に現れた
作り直されたお茶漬けを見たあと、俺たちを見回してすぐに席に着く
「おはよう、叶兎。もうちょっと早く起きる努力してほしいかなー」
『悪い…昨日のこと考えたら寝るに寝れなくてよ…。お前ら何時に起きたんだ?』
「8時半」
「低血圧なんて、か弱い女の子みたいだな、オニイチャン?」
『年寄りは朝が早いな。早朝クロッケーでも習ったらどうだ?』
叶兎は涼しい顔で湯呑みに注がれた日本茶を飲みながら言う
俺のからかいにすぐに答えれたと言うことは、もう頭が切れ始めているということだ
『お茶漬けか、うまそうだな。…ん?量が減ってる』
「お前が食ったんだろうが!」
『んー!うまいな、今日の誰が作ったんだ?』
「大和だよ」
『さすがだな。さっさと嫁もらっちまえよ』
「うるせぇな」
「朝が遅い日本人なんて、びっくりだよ」
『別におかしくないだろ?アメリカ人は全員、朝が早いかよ?』
カチャカチャと箸と茶碗を鳴らしてお茶漬けを食べている姿を見て、俺はどうにも言い返しができなかった
俺も朝が弱い
『新聞』
「ここにあるぜ」
『目立ったニュースは…と』
「オニイチャン、ご飯食べながら新聞を読むなんて行儀が悪いよ」
『悪いな。俺の世界じゃ、1分後にゃ情報が変わっちまう世界なんでな』
「ちっ」
「アッシュ…」
紙面に視線を落としている叶兎に「何か載ってるの?」と英二が聞くと『んーん』と軽くあしらった
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年7月10日 18時