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『んじゃ、行ってくるからなんかあったら連絡する』
「気をつけて行けよ。相手が相手だ」
『あぁ』
バン、と強めにドアを閉めて銀縁の伊達メガネをかけて髪の毛を整えながら歩いていく
長い廊下を歩きながらエレベーターに乗り込み、ターゲットのいる部屋に向かう
インターホンを鳴らす前にネクタイを締め直して気合いを入れるように大きく息を吸い込んでゆっくりと吐いた
ぐっと顎を引いてインターホンを鳴らすと、数秒してから部屋の内鍵が開いた
チェーンロックの隙間からターゲットが顔を覗かせた
「…ピーターではないな」
『彼は急病で……代わりに行くようにと言われました…僕ではいけませんか?」
しおらしく顔を上げれば、キッパードは俺を中に引き入れた
部屋の中に通された俺はそのままベッドに押し倒された
キッパードのことは、ガキの頃からよく知っていた
どのホテルのどの部屋で、どんな奴を買ったのかも、その買った子どもを待つのかも
プチリ、プチリと外されていくボタンを感じながら
自分の肌を撫でる体温を感じながら
腹の奥から湧き上がる不快感を精一杯に押し殺して
唇を噛み続けた
夢中になって俺の肌に吸い付いてきたのを境に、俺は口を開いた
『……相変わらず、金髪や銀髪が好きなのか?』
「!?」
『この顔忘れたのか?薄情な奴だな』
「お、お前は…!」
『どけよ…重いんだよ』
グッと脂肪だらけの腹に銃を突きつけて俺の上に覆いかぶさるキッパードにどいてもらい、ベッドから降りた
『あんたには感謝してるよ。アッシュを幽霊にしてくれたおかげで、アイツが
「な、何がほしい?金か?いや、金はお前ならいくらでも」
『バナナフィッシュ』
俺の要求にキッパードは息を呑み「……なんのことだ…!」と言う
『余計な芝居はなしにしようぜ。あんたとゴルツィネ、親父、ホルストック、スマイルズ…お前らは誰の庇護の元に動いてる?
そして、誰の援助でここまでのし上がれた?』
「っ……」
『答えてもらおうか』
近くのチェアに座り、足を組んで銃を構えて不敵に笑えばキッパードは悔しげに黙りながら俺を睨み、怒鳴る
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年7月10日 18時