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45話 脱出せよ ページ34

ベッドシーツを引っ剥がし、パタパタと遊んでいるフリをする
子どもじゃないからこれを頭からかぶって遊ぶなんてことはなしない。ただ、ここから簡単に出れるようにするだけ









ふんわりと広げたシーツを頭からかぶってくるくるとその場で回って監視カメラに妖艶に笑って見せる
化粧できたらもっとよかったけど、即席にしちゃいいと思う





ウゴウゴとシーツの中で服を順番に脱いでいく









まずはシャツ




次にズボン













そして、ボクサーパンツ









それを足からスルリと抜いてぺしっと床に落とす








降り重ねたシーツのスリット部分から足をスルリと出して見せる
ギリギリ付け根のところで止めてふわふわとその場で回って見せる





それを何度か繰り返してからもう一枚引っ剥がしておいたシーツを監視カメラに被せて部屋の中が見えないようにした







シーツを置いて手早く服を着てドアの死角になる場所に身を寄せて息を殺して待つと、予想通り警備員がやってきた
中に入って膨らんでいるベッドに歩み寄り始める警備員に音もなくドアを閉めた














「おい、いい加減にしろよ。おい…あん?」















シーツを剥がした警備員は枕と丸められたシーツに驚き、戸惑っている
その背後から俺は口元を押さえて『Shhー…』と耳元で静かにするように言う



















『天国に逝きたくなければ、俺の質問に答えろ…変な真似はするなよ…俺は殺し屋のスキルもある…
例えば、頭と顎を掴んであらぬ方向に力を加えたら、簡単に首の骨は折れるぜ』













警備員はコクコクと頷いて、俺の質問に答えるために黙り込む















『とりあえず、銃とカードキーは没収
んじゃ、ひとつ目。ここはどこの棟?』

「き、北病棟の、14階」

『警備員は?』

「ろ、60名前後…」

『エレベーターは何機ある?』

「か、各病棟には5台ある…ここから近いのは、第一エレベーターだ」

『ふむ…』















奪い取った銃は銃口を向けていつでも引き金を引けるようにしておく
北病棟の14階、か…結構上の方だな…とりあえず、どうにかして下に降りていって帰るか…



















『俺の他に連れて来られた奴は?』

「い、いや…1人、いる」

『どいつ?』

「せ、先日重傷を負った人間だ…名前は…確か、アッシュ…そう、アッシュ・リンクスだ」

『…アッシュ?』

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年7月10日 18時

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