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アッシュside
傷が開いた俺には手当と鎮痛剤が投与された
ベッドに横になり、マックスと駄弁っているとパタパタという駆け足と共にガラリとドアが開けられた
息を切らしてスマホを片手に駆け込んできたのは、直斗
「ど、どうした？」
「こ、こっちに叶兎来てないか？」
「い、いや…来てないが」
「くそっ！おい本気でヤベェぞ!! どこにもいねえ！GPS付きのスマホが転がってた!!」
血相を変えてスマホに怒鳴り込む直斗に「何かあったのか？」と聞くと、焦りまくった表情を浮かべた後、深呼吸をして余裕のある表情を浮かべていた
だが、額には汗が流れている
「あの野郎、勝手にどっかほっつき歩いてんだよ…一度や二度じゃねぇからいいけど、一応行き先だけはな…」
「叶兎のことだから大丈夫だろ」
「だといいけど…」
「…？」
「とにかく、ここに来たら連絡してくれ。どつかねえと気が済まねえ」
「あ、あぁ」
「あぁ、昭輝か？とりあえず、そっちに戻る。防犯カメラの解析と行き先のリフトアップ、あとそれから今回の件に関わってる奴ら全員のリストを出せ。あぁ、裏社会のドンに手を出したこと、後悔させてやるぞ」
瞳孔が開き、ハイライトなど宿さずにスッと光を消した直斗の瞳に、俺は本当に裏側の人間なのだと再度確認させられた
「悪かったな、騒がしくして。アッシュ、怪我治せよ」
「あ、あぁ…」
病室を出て行こうとした直斗が「あ」と足を止めてマックスに「これ」と何かを投げた
「これは？」
「GOOSEの二重帳簿」
「なにぃっ!?」
「このネタをゴルツィネたちが帰ってきたと同時にぶつけてやってくれ。叶兎は多分無理だからな」
「そりゃ構わねえが…」
「じゃ、頼むぜ」
来た時と同じようにパタパタと駆け足で去っていく直斗を見送り、何かあったのかイマイチ把握できずに終わり、疑問と不安が胸の中を支配するばかりだった
叶兎side
「くろちゃんって、なんでそんなに銃が撃てるの…俺、絶対ジャムるんだけど…」
『なんでって…秀鳴のそれは、天性の才能だろ？』
「そんな才能欲しくないよ…」
はぁあ。とため息をついて床に寝転がる秀鳴の隣に座って立派な庭を眺める
俺の頬や腕にはおびただしい包帯や絆創膏が貼り付けられ巻かれている
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年7月10日 18時
