39話 知能テスト ページ23
簡単な説明の後、俺とアッシュの知能テストが始まった
黙々と筆記テストを書き進めていると、ふと眉を寄せる問題を見つけた
俺は離れた場所に座るアルパーを見て、ペンをクルクル回しながら『アルパー』と呼ぶ
「どうしたの?わからない単語でも?」
『この問題』
トントン、とペンで示した問題を見てギョッとしたアルパーに俺は気にすることなくペンを回しながら口を開き続けた
『最後の問題だけど、フィボナッチの数列じゃないのか?
でもそうすると、3の次は5になる。けどこの問題だと6になってる
それで、前の項に頼らずに任意の数値の出るような「f(x)の公式」があると仮定して計算してみたら、「f(x)=a451796」「expt.480512x」…』
脳内で難解な数式が津波のように押し寄せてきながらも俺はそれを気にすることなく脳内で計算をし、データを全て簡単にまとめれるようにプログラミングしたソフトのように動かした
ジェンキンズ、チャーリーもよくわからないという顔に
大和はまた始まったという顔
アッシュはあんぐりとしている
『ただしこれはほぼ近い公式で、xが大きくなるにつれて次第に誤差が生じるんで混乱したんだよ
やっぱミスプリなんじゃね?それしか考えられないし…あぁ、それとも俺の知らない新しい数学理論とか?
何しろ小学校の勉強もまともにやったこともなけりゃ、中学も問題児だったからな〜』
オラ、言い返してみろや。というオーラを背負いながらアルパーを見る
言っておくが、このフィボナッチの数列や高等数学は俺が殺せんせーに頼み込んで教えてもらったものだ
「あ、いや…そこから先は無理にやらなくていいんだ。それじゃ次のテストを…」
『…チッ』
ペンを回しながら肘をつき不満マックスの顔でアルパーを一瞥し、ペンを見る
「これは、なんに見える?」
見せてきたのはロールシャッハの悪魔のような影絵
俺はペンを放り投げて頭の後ろで手を組み大きな口ではっきりと言った
『てめぇの奥さん』
アルパーが泣く泣く帰っていき、チャーリーとジェンキンズが俺をまじまじと見てくる
その視線から逃れるように『仕方ないだろ』と抗議する
『俺の通ってた中学、普通に高校の問題解かせてくるんだからよ…中3の時なんか、難関大学入試問題並みのやつ解かされたんだから』
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年7月10日 18時