37話 時の流れ ページ16
『………なんだ、その帽子』
「今日はハロウィン!! ねぇねぇ、奥村くんがハロウィンパーティーしたいって言ってたんだ!だから、行ってもいい?」
『んー…いいけど、まぁいいか…そのまま泊まってきていいよ』
「くろちゃんは、行かないの?」
『やることあるから俺はパス。大和、送ってやってくれ』
「あぁ」
仮装をして楽しみにしている秀鳴が、「くろちゃんもいこーよー」と駄々をこね始めるが、大和が引きずって出ていった
「よかったんですか?」
『ん?あぁ、まぁな…』
靴を脱いでコートを片手にして廊下を歩く
自分の部屋に入って布団にダイブして、泥のように眠った
「叶兎、叶兎起きろ」
『………んがっ…?』
「動きがあったぞ」
『…………』
ゆすり起こした直斗に『現状は…』と聞きながらゆっくりと起き上がり、自分の頭を抱えて眠気を覚ます
「イースト・ブロードウェイで決闘中だ。現在、コニーアイランドまで電車が走ってる」
『架線工事中だっただろ…あぁ、オーサーか』
「あぁ。どうする?」
『………………………いや、俺が向かうのは国立精神衛星センターだ』
「え、なんで…」
『あそこも投資してる。それも、来月いっぱいまでだからな…ある程度、見ておいて損はないだろう』
「……敵を知るためってことか?」
『そういうこと。今の出資のほとんどはゴルツィネだからな。…そろそろ、親父も帰ってきそうだし……っと!』
足に力をこめて立ち上がり、セーターを脱いでワイシャツを引っ掴む
『動きは随時教えろ』
「了解」
「失礼します、坊ちゃん」
「由嘉」
「至急、お耳に入れたいことが」
『なんだ?』
ワイシャツのボタンを止めながら由嘉を促すと「コニーアイランドで決着が…」と言う
その報告に耳を澄ませながら手を休めずに動かす
「オーサー死亡、アッシュは重傷です」
『……………はぁあ…まぁ、そうなるわな』
「気にならないのか?」
『言っただろ。自己責任』
「聞いてねえ」
『んじゃ、今言った』
「おい」
ジャケットとネクタイを身につけて『んじゃ、行くか』と両手で髪をかき上げて気合いを入れる
「どこへ?」
『国立精神衛星センター』
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年7月10日 18時