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『あんたらが喉から手が出るほどほしい情報も、知り得たであろう情報、闇に葬られた国を揺るがす情報も全てこの頭に入ってる』
「………」
『俺は“政府高官”なんて奴らが、どんなにえげつない変態野郎かよく知ってる。あいつらが自分の息子や孫みたいな年齢のガキになにをさせたか…
俺に言わせれば、ホワイトハウスも他の政府の人間もクソ喰らえだ』
窓枠にもたれて吐き捨てる
どれほど、屈辱を感じてきたか、表で生きてきた人間は知らない
『誰かがこれはおとぎ話ではなく現実の出来事だって知らせなきゃいけない』
「それをお前がするのか？」
『…………俺が言えば、全世界の裏社会がひっくり返るからな。俺の言葉は絶対だからな…逆らえば、明日はない
もちろんそれはゴルツィネも同じさ。親父が退いた今、トップはこの俺だ』
メガネを外して前髪をかき上げる
誰がなんと言おうと、この世界の王は俺だ
『俺はガキの頃から親父とゴルツィネに虐げられた。今こそ、復讐するときなんだ』
「ゴルツィネめ…俺はなんとか裏付けをとるよ」
『無理しない程度にな。その情報はアッシュにやってくれ。俺がここにきたことも教えるなよ。絶対に拗ねるから』
「確かにな」
コートを片手にドアの方に向かうと「英二はどうしてる？」と聞かれた
『さぁな。この間、アッシュと喧嘩してたらしいけど、もうすっかり仲直りしてるみたいだ。なんで？』
「いや…イノセントってやつは、ヘタをすると銃より危険だからな
もう話したのか？帰国は明日だろう？」
『まだだ』
「もう時間がないぞ」
『わかってるよ』
肩をすくませている俺に「いつもコンピュータみたいに正しい答えを弾き出すお前の脳も、英二のことになると計算が鈍るってか？」と茶化すように言ってきて振り返って頬を膨らませた
『そんなんじゃねぇよ。ただ…』
「ん？」
『……』
「どうした？」
『…いや、なんでもない。じゃあ』
ドアを開けてそのまま静かに閉めた
『ただいま〜』
「おかえり〜!!」
『うわっ!?』
飛び込んできたのは秀鳴
頬を染めて俺に抱きついて「ねぇねぇ、くろちゃん！」とズレたとんがり帽子を直しながら言う
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年7月10日 18時
