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オーサーは目を丸くすると私を見て疑いの目を向けてくる
「どういう風の吹き回しだ？」
『お前、経営学は好きか？』
「…？」
『いいから、好きか嫌いかって聞いてんだよ』
「まどろっこしいことは知らねえな」
『んじゃ、勉強するしかねえな』
「…何の用だ」
『オーサー、“俺”と取引しないか？』
「…は？」
さあ、乗るかそるかはもちろん、お前が決めろ
「………とにかく、帰れ」
『見逃してくれるんだ。ありがたいね。考えておいてよ？返事はいつでも』
「…チッ」
背を向けて歩いていくオーサーを見送り、そのまま自分もアッシュのアジトに向かうことなく、ホテルに向かった
ある一室に入ると「お前なぁ」と宇宙の声が聞こえる
「いきなりきて、ベッド占領するか!? 普通！」
『ふかふかでいいなぁ』
「聞けよッ！話を!!」
「だが、本当にうまくいくのか？そんな話」
『いくさ。奴も馬鹿じゃない』
「それはお前の見立てだろ？どうすんだよ、失敗したら」
『失敗したことがあったか？』
「…ない」
『うまくいくさ。全部、うまくな』
冷や汗をかく宇宙は「あ"ーもう！」と言いながら頭の後ろをかいた
「ホンット、全部収まるところに収まるんだよなーっ！お前のおかげで！」
『こんなにうまくいくと、逆に面白いよな〜』
「海斗、本当にお前、捕まらないか？」
ベッドで足を組み替えて目を閉じる
『…1時間だけ寝る』
「はいはい」
「ゆっくり休めよ」
くしゃりと優しく撫でられてそのまま意識を手放す
オーサーside
日本人から持ちかけられた取引
魅力的なその内容は俺に損がない上に、俺が裏切れば奴にしか損害が出る話だった
だが、まあ…悪くはない
それに俺はいい子じゃない
上手い話があるのならそっちにいくだけだ
スマホを取り出し、フリーアドレスに文字を打ち込み送信する
《ようこそ》
たったその文字だけで契約は結ばれた
ー翌日ー
「姉さん、ここは…」
『マンション』
「それはわかるよ！アッシュから聞いたよ！ここっ！一部屋800万！」
『買った』
「買った!?」
『キャッシュで』
「キャッシュで!?」
『一括』
「一括!?」
(面白い奴…)
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年1月2日 9時
