29-2 ページ44
ー翌日ー
「おはよう…って、なにしてるの？姉さん」
『おはよう、英二。見てわからない？変装』
ひとつにまとめた髪の毛を帽子の中に押し込み、翡翠の瞳をカラコンでブルーに変える
顔つきも化粧で誤魔化してアメリカの端正な顔つきに変えた
「うおっ!? …って、海斗か」
「何してるんだよ」
『ちょっと出かけてくる。いいか、お前ら…絶対ついてくんなよ』
「え、ちょ…姉さん!?」
パタンとドアを閉めて足速にアジトを後にした
足を進めてやってきたのは日本人もアメリカ人も宿泊するホテルだった。サングラスを外し、中に入るとロビーでコーヒーを口にしている烏間さんがいた
『Hi』
「やあ」
ドサリと椅子に座り込み、帽子を被ったまま挨拶をすればコーヒーを口にしながら微笑む烏間さんがいる
「今日はどうした？」
『烏間さんにお願いがあってさ』
「？」
『マンションの契約に行って欲しいんだよ』
「…？マンションの？それならキミの方がいいだろう？それにいくつか持っていると言っていたじゃないか」
『根城を増やす方法はいくつもあるけど、今回ばかりはあんたにお願いしたいんだよ』
「…わかった。だが、その契約金はどうなっている？」
それについてまた後でという雰囲気を出し『今、アッシュの根城にいるがそこもいずれバレる可能性がある。律のおかげで警察を抱き込んで探しているって情報も得たからな』と言う
「…まったく、金で物を言う世界とはこう言うことだな」
『ホント。呆れて笑えるよ』
ケッと吐き捨てると烏間さんは「本題は？」と聞いてくる。ホント、話が早くて助かる
「奥村くんのことが心配なら俺たちが預かることもできるが…そうしないのは、そちらの方が安全ということだな」
『ご名答。まあ、無事に守り切ってやれるかと聞かれると渋るけどね…アッシュのためにも、今は引き離すことはやめておいた方がいい』
「わかった。それで、どこの契約だ？」
『59丁目』
「…それこそ、キミの家があるじゃないか…聞いたぞ、12階の一部屋一括で買ったと」
『よく知ってるね』
どっから仕入れたんだか…。腕を組みながらジトリと見てくる烏間さんに澄まし顔する
「いくらキミでも、800万ドルもする部屋を一括で出すなんて簡単だろうが足はつきやすいだろう。どうやったんだ？」
そう聞かれて、フッと軽く口を緩ませた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年1月2日 9時
