同志の思いを胸に【BANANA FISH】 (ページ39)

今日:55 hit、昨日:6 hit、合計:9,543 hit

28話キミの正体ページ39

アッシュが何言ってんだ？という顔と変な声を出す
ショーターは「なあ、信じてくれよ」ともう疲れたからと言う。そりゃあ、ずっとそれじゃあな

『見せりゃ早いんじゃないか？』

「「え？」」

『なあ、“ショーター”』

「「？」」

腕を組んで後ろを見れば、出入り口からゆっくりと足音が聞こえてくる
コツン、と出入り口に現れた人間にアッシュの子分、英二、そしてアッシュがこの世のものとは思えないという顔でそちらを見ている

『さあ、自己紹介どうぞ？“ショーター・ウォン”』

「ショ、ショーターが、2人…」

「え、え…」

「おいおい、どういうことだよ…」

「SFか？」

口々に聞こえるそんな言葉にショーターは「おれも最初はそう思った」と頷いた
そしてアッシュたちは、自分達の目線にいるのが“本物のショーター”だということを理解し、自分達が先ほどまで詰め寄っていた“ショーター”を見た

「ホント、悪趣味な上に人使い荒いんだよ。海斗」

ショーターは自分の横顔付近に手をかけると、そのままベリベリッと音を立てて“顔”を外し始めた

その光景に一同が言葉を失う

ﾍﾞﾘｯ!!

「痛ー…接着剤痛ェ」

『強めのなら痛いだろ』

「ホントお前人使い荒いんだよ。睡眠時間ゴリ削りの5時間大作なんだぞ、コレ」

ヒラヒラと被っていたマスクを掲げている人間に「そいつ、は…」とアッシュが途切れ途切れに言うと「そいつは海斗のマブダチだよ」とショーターが代わりに答えた

「え、え!? 変装!?」

「ご名答〜。俺は星宮宇宙。よろしくな」

「おい、海斗。説明しろよ！なんで人間が他人そっくりに化けれるんだよ!!!」

『宇宙はガキの頃から人の顔をいじるのが趣味だったんだよ。他人そっくりに化けれるんだよ。おかげでバズってる』

「YouTubeとか見たことない？俺そこに動画あげてんの。本人たちからも絶賛だとか、ハリウッドの俳優さんたちのメイクとかしてんの」

「ホントびっくりしたぜ？初めて見た時、鏡見てんのかと思ったぐらいだった」

笑っているショーターに「そういうことじゃない！なんでこいつがショーターのフリをしてたんだ！」とアッシュがキレながら突っ込んでる

『そりゃショーターのために決まってるだろ』

「「え？」」