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『さあ、どいてもらおう』
銃口をさらに強く押し当てると、月龍はゆっくりとその場を離れる
月龍からエイブラハムに視線を向けると、「お、お前は…」と私のことを覚えているらしい
『やあ、久しぶりだね。エイブラハム…ドースン』
「ヒッ」
『お前はイラクでアッシュの兄や兵士や捕虜を実験台にして殺した』
「っ…あいつらがみんなして、僕をバカにしやがったからだ！ネズミだの、腰抜けだのと！だからあれは正当な」
『復讐だと言いたいのか？クソ野郎』
私がその先の言葉を言えば、エイブラハムは「グリフィンはいい奴だったが…」と視線を切らす
そりゃそうだろう。なんたって心優しい男の子の兄なのだから
「僕のしたことに勘づいたから、仕方なかった」
『仕方なかった、か…なら、私がお前を拷問するのも、アッシュがお前を殺すのも仕方ないことだな？』
「！」
『だってこれは』
“「正当な復讐」なんだろ？”
そう言ってやると、青ざめて返す言葉もなく顔を引き攣らせるエイブラハムがいた
月龍はじっとこちらを見ているのを放っておき、『さて、ここから先は大人の取引としよう』と持ちかける
「と、取引、だと？」
『あぁ、そうだ。お前がバナナフィッシュを作り出したことは証拠が上がってる。逃れられない罪状を目に一生を監獄の中で過ごすか、協力することによって罪を軽減するかだ』
「っ………」
『選べることができないのなら、そうだな…自身が作った薬をお前に打ち込んで暗示をかけてやろうか…
そうだな、暗示の内容は…自らのはらわたをナイフで突き刺し、内臓を抉り出せ…と』
「ヒッ…！」
『なんだよ。お前だってやったことだろう？グリフィンや他の兵士や捕虜に…お前の方がよっぽど残忍じゃないか
耐え難い苦痛をお前も味わう話だ。お前は一生悪夢に悩まされ続ける未来か、地獄に行くか、ふたつにひとつだ…さあ、選べ』
怯えてガタガタと震えているエイブラハムに『安心しろ。私はお前を殺さない。だが、一生お前の命を使ってやるつもりだ』と銃口を口の中に突っ込み、セーフティを上げる
『どうする？バナナフィッシュについて喋るか、死ぬか…どちらでもいいぞ？引き金を引けば終わる話だからな』
「わ、わかった！喋る！喋るから！殺さないでくれ!!」
『……………だ、そうです。言質は取れましたよ。“烏間さん”』
「あぁ」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年1月2日 9時
