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「私は科学者だ。未知の発見を無に帰してしまうことはできなかった」
見苦しく言い訳をするこの男に1発入れてやろうと殴りかかろうとすると、俺の手を掴んだおっさんは「待て！」と言う
「放せよ！こいつを殴らねえと気が済まねえ!!」
「そうじゃない…俺にやらせろ！」
マックスの拳が入るとドースンが後ろまで吹っ飛んだ
そこへ伊部がようやく立てるようになったのか、部屋の出入り口に立っていた
「俊一」
「これは、英二と海斗の分だ！」
ドースンをぶん殴った伊部もそのまま倒れた
「ディノ・ゴルツィネの大いなる陰謀か…
もし合衆国が後ろ盾になれば、奴は暗黒街のトップに躍り出るというわけだ」
その時、空気が変わった
「しまった！」
出入り口には、東洋系の男たちがいた
海斗side
豪華な屋敷、豪華な装飾、豪華なソファというよりもフッカフカなソファを堪能といわずとも感じながらも応接間で気絶しているフリをするのもなかなかナンセンスだと感じている
「お前はなぜ、ここにいる？」
「僕もキミたちと同じ立場さ。兄がチャイナタウンの友好の証として、僕をここへ寄越した」
「…ふん、哀れなもんだな。道具に使われてよ」
「貴様！」
「いいよ。本当のことだ」
…いつ起きていい？
ピクッと眉が動きながらも耐えまくっていると、部屋のドアが開く音がした
薄く目を開けると、お目当ての人間と見覚えのある男がいた
「会うのは初めてだな、ショーター・ウォン」
ぐっと肩を寄せる手の力が強くなっている
合図だ
それと同時に、私の肩を支えていた手が離れ、「放せっ！」という声が上がる
それと同時に、『いや、マジで放してよ』というと、その場のショーター以外の人間が目を見開いた
「な、なんで…キミは」
『あぁ、あのカップのお茶なら飲んでないよ。筋弛緩剤入ってんのは知ってたから』
「!?」
よっと、とソファから立ち上がり『お初目だね、Mr.ゴルツィネ』と鋭く目を光らせると「キツネめ…」と吐き捨てられる
『ユーシス…いや、李月龍』
「!?」
『言っただろ？狐に化かされるなよって』
「あれは、まさか…！」
『さぁね？』
人を騙すこともまた、才能だ
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年1月2日 9時
