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ユーシス・ドースン。歳は16歳であり、両親とは死別、ドースン家へは学校の紹介で入ったというショーターの情報に違和感を覚える
『本当にその話か？』
「…ソニーって奴から聞いたが、そのあと…」
『なるほどな。ガセネタか…』
「海斗、俺は……」
『……お前にはこれから、裏切ってもらう』
私の吐いた言葉にショーターは同様の色を見せた
ーーーーー
ーーー
ー
ショーターとの話を早々に切り上げたあと、リビングに向かうと「あぁ、海斗ちゃん」と伊部さんが駆け寄ってきた
なんだ？と顔で示していると「実は、ビザが」と問題を思い出させてきた
『あ"ー…忘れてた』
「今、出版社に連絡して向こうから日本領事館と移民局に掛け合ってくれるそうだ」
『…烏間さんに連絡して、緊急事態だってことでビザ延ばしてもらえないかな』
「そんなことできるわけないだろ…。さすがにパスポート偽造は度が過ぎた犯罪だからね」
『ハッキング云々は見送りかよ』
椅子で資料を読んでいるマックスと少し離れたソファでアッシュがスマホを眺めていじっている
その近くの窓辺に立ち、タバコの箱から1本抜き取り歯で咥えて火をつける
「でも、英二は納得するのか？」
「…それを考えると頭が痛いよ。下手に話したら、また逃げ出しかねんからな」
「俺が話してやってもいいぜ」
『嘘つけ。お前、英二にキツいこと言えないくせに』
会話に割り込んだアッシュにぶった斬るように言ってやると「でも」とアッシュが言い返してくる
まだ火をつけたばかりのタバコを吸いながら『ここから先は、英二がいると厄介なことも絡んでくるからな』とぼやく
『……私が話してくる』
「海斗ちゃん…」
『安心しなよ。大丈夫、ちゃんと納得させるよ』
伊部さんの肩を叩き、英二がいるであろうテラスに向かう
アッシュは「おい！」と呼び止めてくるがそんなのを無視する
「あいつ…人の心があるのか？」
「…海斗ちゃんは、憎まれ役を買って出てくれたんだよ」
「え？」
「不器用なんだよ…あの子は…優しさが」
「…………」
ーテラスー
「え…今、なんて言ったの？」
夕焼けに染まるテラスで英二が聞き返してくる
間違いであってほしいと、なぜそんなことを言うのかと、そんな表情でこちらを見る英二にもう一度はっきりと言う
『足手まといだって言ったんだよ。先に日本に帰るんだ』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年1月2日 9時
