同志の思いを胸に【BANANA FISH】 (ページ17)

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『で、どうだった？血液検査の結果』

《キミの言う通り、見つかったよ。LSDと似た成分がね。だけど決定的に違うのはその成分の効果ということだ。簡単に言うと、凶暴性、攻撃、自己破壊だ》

『…やっぱりな』

《わかってたのか？》

『いや、それについて今データを見つけてな。コピー取ったからお前に律を通じて送ってもらうよ』

《わかった。なにかわかればまた連絡する》

『サンキュー』

電話を切り電話帳の項目をタップし、次にかけるべき相手の電話番号をタップした
数回のコール音のあと、《んだよ、こんな夜中に…》と間抜けな声が聞こえてきたのに『お前、今ニューヨークのホテルだったよな？』と聞くと《ふぁっ…それがなんだよ》とあくびと共に声を出していた

『今からロスに来い』

《……………は？》

『チケットはもう買っておいた。明日の朝、こっち来いよ』

《明日の朝って…今から出るのかよ!?》

『いいから早くしろ』

《だーーっ!! ほんっとお前ってなにからなにまで》

最後まで聞く前に電話を切り、スマホをポケットの中にしまい込んで書斎の中に入ると全員が一旦休むと言う

『ご勝手に。私はまだ調べるよ』

「本当に倒れても知らないからな」

『はいはい』

椅子に座って適当に情報を眺めていると、「ホントに眠らないのか？」とアッシュがデスクに手をついた

目を向けず、『あぁ』と頷いてマウスをカチカチと動かす。どうやら、めぼしい情報は入っていないな
あとは…この部屋の違和感ぐらいだな

『…お前寝ないの？』

「寝るさ。海斗と違って、俺は繊細だからな」

『誰がガサツだと？』

へへっと笑ってドアの方に歩いていくアッシュに『ったく』とジトリとした目で見送り、パソコンの画面を眺めながらふと考え込む

『………………』

頭の中でシュミレートしたものをパチンと指鳴らしを脳内でして完結させたあと、回る椅子をくるりと回転させて立ち上がり、パソコンのそばの本棚の前に立つ

『……………』

本棚から本を数冊手に取り、パソコンの隣に置いてジッと見る。明らかに空気が違うのだ
タバコの火をつけて煙を本棚の近くに持っていくと、フワフワと揺れていた煙が、フワリと大きく揺れた

『………………』

タバコを口に咥え、本棚のおかしなところがないかを探るように手を這わせた