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屋敷の中に入り、寝室のベッドに坊っちゃまと呼ばれた男…というよりも、少年をベッドに寝かせた
年は多分、15、6歳だろう。幼さの残る顔立ちでもあるが長い黒髪を伸ばしている時点で大人びているようにも見える
華奢な体つきだから多分、非力な部類に入るだろう
…が
(痛い目見たからなぁ…油断はできないな)
6年前、本当に相手のことを舐めていたせいで痛い目を見たもんだからな…。もちろん、相手は誰とは言わないが
「…私がお食事の支度をしておりましたら、あの男達が来て、ぼっちゃまを」
老婆…スウルーという中国系の侍女が言うのに『へぇ…？』と口角を上げる
ここにくる時、キッチンを見せてもらったが…
“料理”をした形跡などどこにもなかった
(匂うな、こいつら…)
怪しい。怪しすぎるんだ
殺し屋としての勘がそう働いている気がした
「じゃあ、この少年が目当てだったわけか」
「こいつ、一体何者なんだよ」
私の考えとは裏腹にマックスが眠っている少年を眺めながら、奴らが狙っていた人間がこの少年であることを確信し、アッシュはなぜ狙われたのか理由を聞いた
「ユーシス様は、旦那様の…アレクシス・ドースン博士のご子息様でございます」
「…息子？」
『……………』
アレクシス・ドースン…ねぇ？
(ったく…世の中狭すぎる)
聞き覚えのある人物の名前にため息をつき、習ったことのある内容を思い出す
「う…」
「坊っちゃま！」
「…！」
スウルーが嬉しそうに声をあげると、ベッドに横になっていた少年の瞳が開けられた漆黒にも似たその黒い瞳がユラリと揺れると、アッシュとショーターが何かを感じ取ったのか目を見張った
「英二に似てるなぁ」
「え？そう…？」
『……………!!』
「姉さんはどう思う…姉さん？」
「海斗？」
『………』
今の…おいおい、嘘だろ？
めんどっ…くせぇ…！
「姉さん？」
『…いや、なんでもない』
覗き込んでくる英二にそう答えて部屋の扉の方へ向かう
「あなた方は…？」
「俺たちは、エイブラハム・ドースンって奴を捜してこの家に来たんだが…」
「それは、父の弟です…会ったことはありませんが」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年1月2日 9時
