同志の思いを胸に【BANANA FISH】 (ページ15)

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背もたれに背中を預けていると、「お疲れだな」とアッシュが笑いながら言う。お前は何もせずただ見学してからな

「見てていいですか？」

『ご勝手に。あんたの家だしね』

肘をついて画面をぽけーーっと見ていると、部屋の中の空気がまた変わった
温かいその空気を感じていると、「どう？」と英二が声をかけてきた

『まあ…』

《システム解読》

『見てなって』

《完了です！》

パソコンに映ったのは、可愛らしく笑って工具を持っている律だった。エンターキーをタン！と叩いた
ドライブの暗号が解除されました！という文字と共にデータがずらりと現れた

『ぐへぇぇぇぇぇぇえ…やっと終わった』

「わあ！すごいや！」

無邪気に笑っている英二と感心しているアッシュを背にしてズルズルと椅子にずり落ちた
何時間こいつと戦ったよ…まさかここまで手こずるとは思わなかった。ISSハッキングする方がマシだったな

「姉さん、姉さん！」

『…………ん？』

「はい！」

片手を差し出してきた英二がニッコニコしているのを見て、パチパチと目を瞬かせる。「ほら！」と急かしてくるのに『あぁ』と頷いて自分の掌を差し出した

パン！とハイタッチをした英二は「アッシュも！」と私とアッシュの手を出すように言い、アッシュもならってハイタッチしてくる。お前は本当に見てただけだろ。敬え、私を

『さーて、中身を見せてもらおうか…』

「英二、2人を呼んできてくれ」

「うん」

パソコンのキーボードで「BANANAFISH」と打ち込み、データの検索をかける
読みが正しければ…もしかすると

「「バナナフィッシュ」というのは、なんなんです？」

「俺たちも知りたいのさ」

検索結果が表示され《海斗さん、出ました》と律がアナウンスしてくれる。ずらりとフォルダが下に伸びていくのに素早く目を動かし、データを読み込んでいく

「これは…」

『……………なるほどな』

驚くほどに出てきたデータの中身にアッシュが驚愕し、その内容を読み込んで背もたれにもたれた。ギシッという音と共に、口元に手を当てて考えるポーズをとる

予想が的中したらしい

「なにかわかったのか、アッシュ？海斗？」

英二に呼ばれてやってきたマックスが声をかけてきたのに、アッシュは「…違う」と静かに答えた