Do you know love？【男主】 (ページ49)

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英二side

下を向いていたアレンに声をかけたらいきなり抱きしめられた。もちろん、声をかけても何の反応もなくてどうしたんだろうとされるがままでいると、微かにアレンが震えているのがわかった

「アレン、大丈夫？気分が悪いの？」

僕が聞いても、アレンは黙って強く抱きしめるばかりだった。そして、震える腕で僕を抱きしめる
まるで、存在を確かめるように守るように

「大丈夫、大丈夫だよ」

『………………』

「アレン、僕はここにいる。ここにいるよ、アレン」

宥めるように優しく声をかけて背中をポンポンと叩くと、アレンはフッと力を緩めた
グスッと鼻が鳴るのが聞こえて、彼は泣き虫なのかな？とちょっとだけ口元が緩んだ

「大丈夫、僕はここにいるよ」

大きな背中が小さな子どものように小さく感じた
アッシュと同じで彼は、どんなものを背負っているんだろう

僕が作ったご飯に涙を流しておいしいと言ってくれた
ショーターやアッシュにアレンのことを聞いてみるのもいいけど、アッシュと同じだった時僕はなんて彼な声をかければいいのかわからなくなる

『……………ごめん』

「？」

『………ごめん…ごめん』

(アレン？)

か細いそんな声。英語でもない、日本語でもない、そんな言葉でつぶやいたアレンは僕の肩にぐりぐりと額を押し当てる
ふわふわの銀髪が僕の肌に当たってくすぐったくて身を捩っていると、『………………ごめ、ん…英二』とゆっくりと僕から離れた

「大丈夫かい？」

『…………も、大丈夫』

あの日会った時と同じ顔をしている
アレンに「よし」と頷いていると、アッシュとショーターが歩いてくるのが見えた

「アッシュ！ショーター！話は終わったのかい？」

「おう」

「あぁ。…アレン、どうかしたのか？」

『……え？』

「目、赤い」

『…………ゴミ、入ったから』

「マジか!! 大丈夫か？」

『………英二が、取ってくれた』

「え？」

僕、何もしてないのに
僕が見上げるとアレンは僕の顔を見ると、べっと小さく赤い下を覗かせた

お茶目な一面を見た僕は、「あははっ！」と声を出して笑うと、アレンはアンバーアイズを丸くして僕をパチクリと見ている

「英二？」

「あははっ…ふははっ！アレン、目が大きいもんね」

『……………英二には、負ける』

「なんだとっ」

僕は知らない。アレンの息が詰まる過去を